異世界ファンタジーで無双したミポリオン氏は現代ファンタジーをも極める

~レベルもスキルも能力値もないミポリオン氏に何故かカクヨム読者が集まってくる件~


■名前

  ミポリオン

 ■熟練度

 ・神・異世界ファンタジー(99999/99999)

 ・神・現代ファンタジー(99999/99999)

 ・ラブコメ(6094/9999)

 ・エッセイ・ノンフィクション(5992/9999)

 ・SF(0/9999)

 ・恋愛(0/9999)

 ・現代ドラマ(0/9999)

 ・ホラー(0/9999)

 ・ミステリー(0/9999)

 ・歴史・時代・伝奇(0/9999)

 ・創作論・評論(0/9999)

 ・詩・童話・エッセイ(0/9999)

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 え? 今更また王道の現代ファンタジーですか? そんなの面白いわけ・・・
 面白いじゃないか!
 と、驚きと驚嘆と驚愕と共にたまげております。
 もうダンジョンものなんて書き尽くされて、これ以上面白い作品なんて出てこないよ・・・と思っていたのですが、本作は王道でありながらもやっぱり面白いです。

 王道だから面白い? テンプレだから安定してる? こんなもんは誰だって書ける? 
 いえいえ、そんなことはありません。
 王道テンプレ系小説だって、面白く書ける人って少ないんですよ!!!!
 皆がたくさん書いている舞台設定だからこそ、改めて面白いと思わせる作品にするのは非常に難しいのです。

「なんだ、ただのテンプレの寄せ集めか。ぺっ」
「もうこの展開飽きたわ。けっ」
「あーはいはい、どうせこれがこうしてああしてこうしてこうなるんでしょ? へっ」

 下手に書けばそんな反応しか返って来ないのが王道なのです。たくさんの人が読み、目の肥えた人が溢れているからこそ、改めて面白く書くのが難しいのです。
 それを成し遂げているのが、作者の腕の高さの証明です。
 
 面白い展開は、何回読んでも面白いもの。
 でも、既視感しかないものではいけません。
 本作は、うまーく作者なりのアレンジが加わって、こんな書き方もあったのか! と思わせてくれます。


 今回は、スキルもステータスもある世界観で、主人公にだけそういうのがない。そんな設定に斬新さがあります。
 そして、どういう風に主人公が最強に至るかと思えば、「呼吸」や「代謝」をしているだけでもどんどん強くなってしまうのです。面白いではありませんか。
 いいですよね~。ただ普通にしているだけで勝手に強くなりたいものです。修行とかまじ面倒くせぇわ。読むのもだるいですわ。笑

 ともあれ、主人公は最強となり、でもそのことに自覚がなく、むしろ自分は弱いと思っているのに、知らずに無双してしまいます。いつまでも自分の強さに無自覚なところがコメディとなっており、フフと笑ってしまいますね。
 他にも、従魔やヒロインなど、王道の面白さを引き出すポイントを押さえ、愉快な物語になっております。
 是非ご一読くださいませ。


 ・・・ところで、ミポリオン氏は熟練度に偏りが大きすぎるようです。異世界ファンタジーや現代ファンタジーだけでなく、歴史やミステリーも書くべきではないでしょうか? そして今書いているものを失速させるのが良いと思います。異世界ファンタジーも現代ファンタジーも書けるなんてずるいですからね!

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