親しい男ふたりが、急に思い立って高速をバイクでひた走り、遠くの温泉地へと旅するお話。
本当に上記一文の通りの、賑やかな現代もののドラマです。
このふたりの適当さというか、旅の行き当たりばったり感みたいなのが楽しい!「無計画性」なんていうと大袈裟ですし、「珍道中」だとさすがに失礼なんですけど、でも男ふたり旅ならさもありなんと思わせてくれるような、この身軽さになんだかワクワクしてしまいます。
魅力はやっぱりふたりの掛け合いというか、そこから醸される雰囲気が本当に素敵。
基本的にはゆるい旅の光景を描いた、明るく能天気なノリのお話です。しかし決してそればかりではないというか、思わぬところからシリアス成分が顔を出したりして、しっかり読み応えがあるのだから侮れない。
コンパクトで読みやすい小品ながらも、独特の空気感が楽しい作品でした。