第48話 アニメ11話『布石』
アニメ『後宮の烏』11話の『布石』は、小説でいうと、2巻の第4章『想夫香』を分けた前編となります。
皇帝・高峻と烏妃の絆を深めた囲碁ののどかな光景から始まって、
ちなみに、
実を言うと、この<鵲>という漢字の訓読みがわからないまま小説を読み進めていたので、今回このエッセイを書くために調べました。1つ物知りになって嬉しいです。(笑)
アニメ『後宮の烏』の11話『布石』では、
彼は「この体は器だ」と言います。
このあたりから『後宮の烏』の物語は、天界の神々が絡んできて複雑になってきます。
神々にも神々の国での名前がありつかさどる役職名があり、人の世界に降りて来れば器として借りる人の体に名前があり……。そして使い部に
たとえば、
また、
この一人の少女の、烏妃・柳寿雪・烏漣娘娘・烏・冬の王という立場が複雑に絡み合って、全7巻という長い長い物語が展開していきます。
いろいろな要素が絡んだ烏妃の実体を理解するのに、私は小説を2回読み返さなくてはなりませんでした。
でも、いまだに、今回の11話から登場する
たぶん、3回目を読まないと無理なようですね。(笑)
でも、このややこしさとめんどうくささが、小説を読んでその世界観にハマるという快感でもあると思うのです。サクサク読めるというだけが、小説を読む楽しみではないとも、また思っています。
ところで、アニメ『後宮の烏』をここまで観てきて気づいたことなのですが、アニメの物語の展開は、白川紺子さんの書かれた小説にかなり忠実です。というか、まったく手直しをしていない、そのものの世界です。
70歳を超えた私はテレビでアニメはめったに観ることはありません。そもそもが、ライトノベルというものの存在すら、カクヨムで知りました。
あるとき、このカクヨムで小説賞を受賞した作品原作と、書籍化された作品という、ビフォーアフターというのも読み比べてみたことがあります。粗筋も文章もまったく別の作品に変わっていて、ほんとうに驚きました。
このような変更は、ライトノベルの世界では、原作者と編集者によって当たり前に行われていることであるらしいです……。
それで、『後宮の烏』も小説からアニメになるにあたってどのように変わるのかと気になっていました。しかしながら、いまのところ小説の通りに物語は展開されています。小説から入った『後宮の烏』のファンとしては、とても嬉しい。
作家によって初めに書かれた物語が、すべての媒体の頂点として燦然と輝いて欲しいものです。
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