第46話 アニメ9話『水の聲』
先日放映されたアニメ9話『水の聲』は、小説では2巻の2章となります。
(ちなみに小説は全部で7巻で完結です。そのことから考えると、アニメは何話放映となるのでしょうか?)
『後宮の烏』も2巻となると、幽鬼退治のお話の中に、烏妃のなりたちの謎という別のテーマが顔を覗かせてくるようになります。
冬官の魚泳や、自分の年齢がわからぬという書庫の番人や、皇帝・高峻を補佐する宰相と頭脳明晰なその娘婿なども、いまはちらっと登場しては引っ込むだけですが、そのうちに重要な役割を担ってくるようになります。
そもそも、舞台が後宮ですらなくなり……。
地方の豪族たちの経済活動や政治的駆け引きや、邪教の内部事情なんていうものまで、絡んできて……。
これが長編小説の醍醐味と言えば醍醐味なのですが。
そのことを知らずして、軽くておもしろいストーリーを求めているアニメ視聴者は、このストーリー展開に果たしてどう反応するのでしょうか?
カクヨムで、ライトノベルよりではない中華ファンタジー小説を書いている私としては、これからのアニメの展開に興味津々ではあるのですが。また、一抹の不安も感じているのですが。
話は戻して、9話の『水の聲』は、自分が幽鬼になっていることに気づいていない幽鬼が登場します。
『後宮の烏』での、いろいろなシチュエーションの幽鬼退治には、読者の興味を引きつけて離さない工夫が凝らされいます。そして、その中で少しずつ、隠されたテーマ『烏妃とは何ものか?』が明らかになっていく手法は、ほんと、白川紺子さんは書き手として巧みだと感嘆せざるをえません。
そうそう、今まで私は幽鬼退治という言葉を使ってきたのですが、この言葉はちょっと違うような気もします。
幽鬼を祓って消滅させるというのではありません。
心根の優しい烏妃の寿雪は術を使って、さまよう幽鬼をこの世の未練から解放して楽土に送ってやるのですが。幽鬼解放というのでは言葉が軽すぎるし、幽鬼償還というのも変ですねえ。なんといえばよいのでしょう。
さて、まったく話は変わります。
前回にユーチューブでちらっと観た中国アニメといまテレビで放映中のアニメ『後宮の烏』を比べて、日本アニメの物足りないのっぺり画面の悪口を書いたのですが。
ふと思いついて、中国アニメという語彙で、ネットフリックスで検索してみました。私はこの1年ネットフリックスを楽しんできたのだけど、アニメを観たことがないので、お勧めに出てきたことがなかったのです。
はい、検索の結果、3つも出てきましたよ!!
『天官賜福』
『魔導祖師』
『天宝伝説』
これが、中国ファンタジーを席巻している仙教というものなのか!
そして、これが中華ファンタジーで扱われるBLというものなのか!
もう、驚きいっぱいで、毎日、楽しく観ています!
『天官賜福』『魔導祖師』。
やはりもう一度言ってしまうけれど、日本のアニメは完全に負けています。
そして『天宝伝説』はCGアニメなのだけど、もうこれが何度でも繰り返して観たくなる、うっとりの美しさです!
それぞれの感想は『後宮の烏』から外れるので、そのうちにもう1つのエッセイ『私、中華ファンタジー小説をまじめに勉強します!』で、書きたいと思っています。
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