第44話 アニメ『後宮の烏』を第8話まで鑑賞
このエッセイとは関係のないことではあるのですが。
カクヨムに連載していた自作小説の白麗シリーズが、昨日、4年をかけて80万字で完結しました。
小説の完結を目の前にしていたこともあって、この1か月ほど、他のことがまったく手につかないという状態でした。しかし、無事に完結して、高揚していた気分も平静に戻りました。録画機に撮りためていたアニメ『後宮の烏』を、心静かに、最新の第8話まで鑑賞することができました。
アニメ『後宮の烏』を第8話までみて……。
まずは、『後宮の烏』の大ファンとして、納得がいかないと思ったことをいくつか書きます。
またまた書いてしまうけれど、皇帝・高峻や主要登場人物の宦官たちの前髪をぞろりと垂らした髪型。
初めは、ビジュアル的な演出かと思っていたのですが。しかしよくよく見ていたら、他の宦官たちや男たちはきちんと結って前髪を垂らしていません。これは垂らした前髪の形で、重要登場人物を見分けるようになっているのだと納得しました。 確かに、アニメに登場する男たちの顔は皆よく似ていて、顎のとがった細面です。衣装もよくに似ています。
それから国中の富を集めた後宮であるのに、妃嬪たちの住まう殿舎の設えが、まったく部屋を飾るものも置いていなくて、壁も柱も灰色一色というのは……。これはあまりにも寂しいというか、いただけないというか。
そうそう、妃嬪たちの衣装もまた刺繍も織りの模様もない単色の無地です。華やかな部屋の設えとか妃嬪たちの衣装こそが、中華ファンタジーの映像の楽しみですのに、観ていてまったくおもしろくありません。
私のがっかり感は、アニメ『後宮の烏』をみる前に、中国で制作された中華ファンタジー系のアニメをユーチューブでみたことと関係があるように思われます。その画面の美しさと繊細さにうっとりし、登場人物たちの細やかでダイナミックな動きに目を奪われました。
この違いを、冷静になって考えて……。
ああ、そうか、これは演出ではなくて製作費の関係なのだと、途中から気がつきました。これではいまに、アニメ制作で日本は中国に負けてしまうなあ……。いや、きっとすでに負けています。
そこからまたまた妄想たくましくいろいろと考えたのですが。
粗雑なアニメの製作は、その原作となるライトノベルの粗雑な乱発に重なるのだろうと。なんかライトノベルって、若者相手の隙間産業なのですねえ。
素人の書いた無料ライトノベルを掲載するサイトは結局のところは、業者の広告料で儲ける手段であり、ライトノベルを原作にしたアニメは、製作費をかけずに、テレビの深夜枠を埋めるもの。
でもでも、私も70年を生きてきました。
時代は川の流れのように変化し続けます。ライトノベルとそれを原作にしたテレビ深夜枠放映、それもまたいつしか消えゆく運命です。
しかしのっぺりとした貧乏くさい画面を我慢して、(笑)、今回、最新の8話まで観て、やはり、お話的には『後宮の烏』はよくできていておもしろいと思いました。小野不由美さんの『十二国記』と並んで、白川紺子さんの『後宮の烏』もまた、中華ファンタジー小説の金字塔として長く輝き続けることでしょう!。
そのお話的おもしろさと凄さは、小説の語彙を拾いながら、これからまた少しずつ書いていく予定です。
ところでアニメ放映が始まって、このエッセイのPV数も伸びています。
しかしながら、初めのころは読まれるのは第1話のみという残念さ。
あっというまに第1話のPV数は千を超えたのだけど、皆さん、そこでブラバされるので第2話との差が激しい。
しかし、最近、「あれ、他のエピソードも読まれているような……」という現象が起きつつあります。
アニメ放映も回を重ねて、『後宮の烏』のストーリーのおもしろさを知った方々が読みにきてくださるようになり、ついでだからと他の話も読んでみようと思われるのでしょうか。そうであれば、嬉しい限りです。
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