第17話 coffee break<2>



 中華ファンタジー小説執筆の参考になればと書き始めたこのエッセイも、前回で16話となりました。


 白川紺子さんの『後宮の烏』を読み進めながら、そこに出てくる中華ファンタジー小説に使えそうな語彙ごいを抜粋して、検索で調べてみたり自分のくだらない蘊蓄うんちくを垂れ流したりしてきました。


 このエッセイを書くことで、白麗シリーズを書いていて語彙に詰まった時に読み返しては、参考にしようと思っていました。正直に言うならば、パクれるものなら、すべてパクろうと思っていました。(笑)


 しかし16話まで書いて、「白川紺子さん、ごめんなさい。この語彙、戴きます!」と思ったのは、<蓮容餡れんようあんの饅頭>ぐらいだったとは驚きです。

きざはし>も使ったけれど、これはもともと知っている語彙です。


 自作小説の『白麗シリーズ』が、宮中ものでないこともあります。


 そしてここまで書いて気づいたことですが、白川紺子さんの語彙は白川紺子さんの世界観と文章だから使えるのだということ。私の小説の中に白川紺子さんの語彙をはめ込むと、とってつけたような違和感となります。




 中華ファンタジー小説を書き始めた時、人の書く中華ものを読むと真似してしまいそうで怖かったものです。しかし、意外とそうはならないということに、気づきました。


 自分には自分の確固たる書きたい世界があります。


 そして、私の文章は、すでに固定化しています。自分なりの書き癖がすでに出来上がっています。読めば、「ああ、あの人が書いた文章!」と気がついてしまうというものですね。


 人の文章に、小説を書き始めたばかりの若い人であればいざ知らず、私ももうこの年齢になってしまうと、それほど影響を受けるものでもないようです。


 でもでも、このエッセイを書いていると、『後宮の烏』を執筆中の白川紺子さんの頭の中を覗いたような気になってしまいます。普通の読書とは違った、裏読書の楽しみです。これが、妙に癖になる楽しさです。(笑)




 ……ということで、このエッセイ『白川紺子さんの『後宮の烏』を、老婆の蘊蓄(うんちく)と思い込みで読み込む』は、まだまだ続く予定です。


 しかしあまりにもこだわり過ぎて、なんとなんと16話で、拾った語彙は『後宮の烏』第1巻の29ページという状態!


『後宮の烏』は現在6巻まで出版されています。そして、この春には第7巻が出るというもっぱらの噂です。

 

 拾い損ねた語彙はあとから拾えばいいと覚悟して、少し、ページを捲るスピードを上げようと思っています。


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