第38話  海風先生の魔法授業 12 ~アイシクル・モードからの海風の願い~

「うっ」


「兄さま 目を覚ましましたか?」




「・・・ああ ってここは?」




「私が【限定付与魔法】を兄さまにあげたところ


 兄さまが気を失いましたので、イグルーに運びました」




「そうか ありがとう海風」


「いえいえ 」




確か海風に超級氷魔法を教えてもらって


その後、神級魔法を教えてもらおうと思ったけど神界規定でダメだったから


海風がなんか魔法くれたんだっけ


それで、なんか頭が痛くなって意識を失ったかんじかな




「ちなみに海風 どれぐらい意識失ってた?」




「えーっと30分程です。」


「そうか 分かった」




「あ 兄さまもしよろしければ


 日が沈むまでまだ時間がありますので、【限定付与魔法】を


 試してみませんか?」




「そうだな やるか」


「はい 兄さま」




まあ体も大丈夫だし 時間もあるなら有効活用したいからな


それに海風がくれた【限定付与魔法】も気になるし




そうして俺と海風はイグルーを出て、先ほどまで使ってた


場所に行った




「海風 頼む」




「はい 兄さま 


 では兄さま まず【アイス・ソード《氷の剣》】を出してください」




「分かった 【アイス・ソード《氷の剣》】」




「そして、【アイシクル・ソード《氷神剣》】と詠唱してください」




「え? 分かった 【アイシクル・ソード《氷神剣》】」


詠唱した瞬間海風が青く輝く丸い氷の球になり


アイス・ソードに吸い込まれていった




「え? 海風? どこに行った」




「に 兄さま心配しないで下さい


 私はここにいますから」




「え?」


海風の声は剣の中から聞こえていた


それは分かったんだが・・・




「海風 元に戻れるのか?」




「ええ 兄さまご安心を


 もちろん私の個人で元に戻れますが、その際剣がバラバラになりますので


 基本的には戦い中はこのままですね。


 それにこうしている間も兄さまの魔力が減っていきますし」




「そうなのか? まあ分かった


 ちなみにこのアイシクル・ソードの効果は何だ?」




「えーっと 兄さまの能力がすべて私のと同じになります。


 あと私と一緒になれるので神級氷魔法を使えます。


 そして、私が死なない限り兄さまも死にません


 とゆう所ですね。」




「えーっと なんかすごいね


 でも、神級魔法使えるようになるけど本当に良いのか?」




「ええ それにこの【限定付与魔法】はもう一つモードがあります。」




「もう一つのモード?」


海風がこれの事になってから顔を赤らめているのは


なぜだろうか?




「兄さま 次は【アイシクル・モード《氷の女神の憑依》】と言ってください」




「あの 断っても良いか?」




「別に良いですが 女神の命令を断るのはいかがなものかと思いますが」




「分かった 分かった」


絶対これ断ったら海風に殺される


しかも女神の命令って




「では兄さま お願いします」




「【アイシクル・モード《氷の女神の憑依》】」


シュパン




そんな効果音とともに俺は、何かいやな予感がした。


理由は、あの極度のブラコン妹の海風が考えることだ


おそらくそれはそれは恐ろしい事になっているであろう




そして思った事がある


先ほどまで海風が憑依していたアイス・ソードがバラバラに壊れている


つまりこのどこかにいるはずだが、いない




ということは・・・




「出来ました~! 兄さまついに ついに海風の長年の願いが叶いました!」




「???」


海風の声がすごく近くから聞こえてきた


でも周りに海風がいない


そして、喋ってもないのに口が動く




これが意味することは一つ




「まさか 海風が俺に憑依した?」




「ピこんっ!  正解です!兄さま ついに私は兄さまと一つになれました。」




「おい やめろ 変な意味に聞こえる」




「えー いいじゃないですか」




「よくない 早く出て行ってくれ」




「いやです 絶対嫌です」




「早く出て行け」 




「いやです!」




30分後




「なあ海風 俺もう疲れてきたから早く出てくれないか?」




「いやです それに私は女神ですから疲れませんし」




「海風 もうさすがに怒るぞ」


一瞬俺の言葉にピクッとしたがそれでも出て行かなかった




そこで俺は、第二作戦に移行した




「そうか 俺は、疲れてるんだけどな


 誰かさんが第二人格を抑えられなくて昨日戦ってなんとか勝ったけど


 まだ傷も完治してないし、疲れも残ってるんだよなあ


 本当に誰かさんのせいで


 そして、夜も解説で遅くまで起こされて


 朝はたたき起こされて


 俺の体はボロボロなんだよなあ


 ああ そうd」




「分かりました 憑依解除しますから もうやめますから


 本当に反省してますから 本当に 本当に」




海風は半分涙目になりながら出て行き


謝ってきた。




「本当に調子に乗って申し訳ございませんでした。」


「いや 俺も言い過ぎた ごめん海風」


「いえいえ 私も」


さすがにここまで泣かれると俺も悪いので


謝った。




そして、イグルーに戻り


夕飯を食べ 寝室に入った




「海風 【超級氷魔法:アブソリュート・ゼロ《絶対零度》】の効果って何なんだ?」




「【アブソリュート・ゼロ《絶対零度》】とは【神級氷魔法:アイス・エイジ《氷の世界》】の


下位互換です。


アイス・エイジは地面 空気 草木 生命などその場のすべての物を凍らせますが


アブソリュート・ゼロはその場の空気のみ凍らせます。


まあ人間に関してはこれだけで死にますけどね。」




「そうか ちなみに最後にやった【アイシクル・モード《氷の女神の憑依》】は


 どんな効果だ?」




「【アイシクル・モード《氷の女神の憑依》】はアイス・ソードの効果に


 神級氷魔法が使えて外見も私になります。


 まぁこんな感じですね」




「神級魔法って使ったらいけないんじゃないのか?」


「いえいえ 設定上は私になりますので大丈夫でしょう」




「そうか 分かった ありがとう海風


 それじゃあおやすみ」




俺は、聞きたい事だけ聞き


そうそうに寝た




「え 兄さま ふう~ん もう少し話したかったのに残念です。


 おやすみなさい 兄さま」




そうして海風も静かに寝息を立てた




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


イグルーから近くの森の中




グアアアー




ギャアアー




ギャヒギャヒ




グヒ グヒ




たくさんの魔物が 私と兄さまの家へ進軍していた。 




「さあ あの憎き女神と一緒にいる男を殺そうか


 ふふ フフフフフフフフ


 さあ 死神フェルンの神魔大戦後 初の戦いだ


 せいぜい 楽しませてくださいよ 氷の女神 アイシクル様」

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貴族に転生したが魔法がよくわからないという理由で 濡れ衣を着せられただが俺は、どうにか逃げ切れたので復讐をすることにした ~ブラコン妹女神と一緒に異世界復讐物語 霧とも ASL @Kiritomo_sama

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