第37話 海風先生の魔法授業 11 上級魔法 超級魔法

「それでは、兄さま 今から上級魔法を教えたいと思います!」


「お願いします」


俺が、【アイス・ジギル《氷の魔法陣》】のトラップにかかった後


ちょうど昼だったので昼食(魚)をとり少し休憩をしてから午後の授業に入った




「では行きます


【上級氷魔法:アイス・ブースト《氷属性能力上昇》】


では兄さまも」




「【上級氷魔法:アイス・ブースト《氷属性能力上昇》】」


詠唱した瞬間地面に水色に淡く光る魔法陣が現れ


その光が俺に吸い込まれるように入っていった。




「なんだか魔力の負担が減ったような気がするな」


「ええ この魔法は支援魔法に分類される魔法で


 主に氷属性の魔法の使用魔力量 リロードの時間短縮


 魔法攻撃力上昇 効果範囲上昇(範囲魔法限定) です。」




「魔法分類ってなんだ?」




「魔法分類とは・・・すいませんまた後で教えます。」


「ああ 頼む」




「? 海風の体から水色のエフェクトっぽいのが出ているのだが、何だ?」




「あっこれですか? これは、支援魔法の副次効果ですね。


 支援魔法には、基本的にエフェクトが付くようになっています


 理由は分かりませんが。」




「そうか」






「では、兄さま次の魔法を教えます!


【上級氷魔法:アイス・ロック《氷の塊》】では兄さまも」




「【上級氷魔法:アイス・ロック《氷の塊》】」


詠唱した瞬間俺の周りが暗くなった




「兄さま 逃げてください」


「え?」


俺は、海風の声を聞きすぐ横に駆け出し滑り込んだ


理由は、空から氷の塊が落ちてきていたからだ




この魔法には見覚えがある


というより昨日模擬戦で何発か食らったからな




「兄さま 大丈夫ですか?」




「ああ この魔法って昨日の模擬戦で使ってた魔法だよな?」


「ええ そうですね 


 この魔法は、魔力の応じて硬さ 大きさ 落下速度を変えれて


 まぁまぁ使い勝手が良いのですよ」




「・・・そうか」


だから模擬戦で何発も俺に落としてきたのか




「それでは、三つ目です。


【アイス・フルアーマー《氷の鎧》】


【アイス・シールド《氷の盾》】


【アイス・ソード《氷の剣》】 兄さまも」






「【アイス・フルアーマー《氷の鎧》】


【アイス・シールド《氷の盾》】


【アイス・ソード《氷の剣》】 」




ガチャン


という音とともに氷の鎧 氷の盾 氷の剣が装備された


この中の氷の鎧 氷の盾は前に使ったが、氷の剣は使わなかったな


というより使う理由が無かったという方が正しいか




「え? 海風・・・」


俺は、海風の姿に目が釘付けになってしまった




「やはり兄さまもそう思いますよね


 前にも言いましたが魔法は、特に召喚系の魔法は使用者のイメージで


 大きく左右します。


 本来であれば兄さまのような騎士の鎧のはずなのですが、


 私は魔法使いのようなローブになってしまいました。・・・」




「いや 海風そういうことじゃなくて」




「え?」


海風きょとんとした目で見つめてくる




「可愛すぎる」




「に 兄さま?」




「すごく似合ってて すごく可愛い」




「か 可愛いって兄さま う 嬉しいです」


海風は顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた




「って 兄さま 次 次やりますよ」




「お願いします 海風先生」




「では次は超級魔法について教えます


 超級魔法とはこの世界の神以外のすべての生物が使える最上位の魔法です。」




「生物?」


魔法を使えるのは人間しかいないんじゃないのか?




「ええ この世界は人間族の他に獣人、エルフ、ドワーフ、龍族、魔族などたくさんの


 種族がいます。


 そして、魔法は大体の種族が使えますので」




「そうなのか」


「ええ というよりこの話前にもしたような気がしますが」




「ごめんごめん 忘れてた」




「もう しっかりしてくださいよ兄さま」


海風は俺の頭にコツンと軽く拳を落とし


頬を膨らませ怒っていた


まぁ まったく怖くなかったんだが




「では、超級魔法を教えます


【超級氷魔法:ブリザード《吹雪》】兄さまも」




「【超級氷魔法:ブリザード《吹雪》】」


詠唱した瞬間 


俺の周りが白い粉で包まれた


そして、地面に白い粉が積もっていき 周りの木々は激しく揺れていた




「ブリザードって英語で吹雪だよな この白い粉は雪?」




「ええ 兄さま これは氷の女神専用魔法 【アイシクル・ストーム《氷神の竜巻》】の


 下位互換の魔法です。


 威力や効果範囲などは、魔力で調節できます。


 そして、使用者はブリザードの効果を受けません」




「そうか ちなみにブリザードの効果ってなんだ?」




「ブリザードの効果は【アイス・ジギル《氷の魔法陣》】と同じで


 鈍足 盲目 吐き気 低体温症です。」




「そうか だから俺にはなにもなかったのか」


まぁ俺を中心に吹雪が起こってるからこれで効果受けたら自殺と同じだからね






「では次です


【超級氷魔法:アブソリュート・ゼロ《絶対零度》】」






「【超級氷魔法:アブソリュート・ゼロ《絶対零度》】」


詠唱した瞬間


パシュン


そんな効果音とともに周りの空気の温度が一気に下がった気がした


否 下がった


草木は凍って砕け散り


地面には薄く氷が張った




そして、俺の皮膚は乾燥して少しだけ血が出た。




「兄さま どうですか  って兄さま大丈夫ですか?」


海風は俺の腕から流れる血を見て慌てて駆け寄った




「いやまぁ 大丈夫大丈夫


 寒くなったから感想して血がでただけだ そう心配するな」




「そうですか すいません考えが至らなくて」




「いやだから 大丈夫だって


 それより次行こう」




「いえ これで超級魔法は終わりです」


「そうか 神級魔法は?」




「神級魔法は神界規定で女神しか使ってはいけませんので


 たとえ兄さまでも教えられません。 ・・・ごめんなさい」




「そうか 分かった 」




「ですが、その代わりに 私の魔法を兄さまにプレゼントします。」




「プレゼント? この前加護を貰ったのに


 それに俺からは何も上げてないのに良いのか?」




「いいですよ 私は兄さまからたくさんもらってきましたから


 そのお返しとして受け取ってください」




「・・・分かった」




「それでは、兄さま 


 私の前に来てください」




海風は俺の額に手を当て


なにやら詠唱を始めた




「氷の女神アイシクルの名においてこの者に


 【限定付与魔法】を与える」




その瞬間 俺の頭の中にその魔法の使用補法が流れ込んできて


ひどい頭痛がしてきた。




「あ 兄さま大丈夫ですか?」




「ああ ・・・大丈夫 だ」




「兄さまぁ」




俺の意識はここで途絶えた


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