第1話魔獣使い<ビーストテイマー> ビーストサイド
「ねえ、さっきから至る所で光の柱みたいなの出てるけど、今年も祭りの時期なの?」
ドラゴンに話しかける少年
ここ魔獣の国では年に一回こうして空から光が振ってくる
これがだいたい数十回。
少年が親に聞くと祭りなのよと、いつも言われていた
「そうみたいだね、絶対に近づいちゃだめだよ。当たったらマナが使えなくなる呪いにかかるわよ」
ドラゴンは息子にこの祭りについて嘘を伝えていた。この光は契約の光、といっても一方的なもの。人間の一部が唱えることの出来る召喚魔法、それによって無理やり若い魔獣は人間の世界へ連れ去られてしまう。
元が人間のこの子にそんなこと伝えたくはないが、光には近づいて欲しくはない。親としての願いであった。
「マナが使えなくなるのは困るなあ。
あ、ホリー。やっほー。かーちゃん、ちょっとホリーと喋ってくるよ。昼食までには帰るよ」
空を飛びながら遠くで光る柱を見ていると、下をのそりのそりと亀のような魔獣が歩いていた。
「ホリー。今日はどっか行くの?」
「公園に行くんだ。誘われてないの?プランダが祭りの日に公園に集まろうって言って何人か誘ってたよ」
「誘われてない。知ってるだろプランダが俺の事なんて誘うわけないさ」
この森はいくつかのまとまりの村のようなものがあって、ここはその中の一つ。他の村より住んでいる魔獣はほかより少ない。その中でも若い魔獣は数匹しかいない。そして、少年は人間。その若い魔獣たちから、自分たちとは違うものだと嫌われていた。その中でもプランダというキツネの魔獣は特に人間を嫌っていて、少年を除け者にしていた。
「近くまで付き添うよ、プランダのスピードじゃあ光の柱交わしきれないだろ?」
「そんなことないさ、見てろよ〜」
亀の魔獣はのそのそ〜とおしりをプリプリさせながら普段と変わらないスピードで歩いた
「遅いって」
笑いながらその歩みを眺めていると、ピカっと頭上で何かが光ると亀の魔獣目掛けて柱が降ってきた。少年は「危ない!」と大きな声を上げ、亀の魔獣を突き飛ばした。
しかし、そのまま光は少年の体に当たってしまった。
「ごめん、俺が当たっちゃっ…」
話している途中で目の前が真っ白になったと思ったら、目の前には少年と同じような姿をした、人間が沢山いた。
少年は夢を見ていると思っていた
魔獣使い @manatwo
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