第6話
俺らは魔法のない世界を目指すために戦力になりそうな人材や情報を集めにを自由の国アーバンリフトへやってきた。酒場でスラム街のボスことエーベルのアニキに話を聞くこと勧められた俺たちは、スラム街へと向かった。
スラム街はラウールベルクのものとは違い、人も多く、賑わいがある。淀んだ人の生気が感じられないあそことは違った。
俺はそこらへんにいる悪そうな奴らに話しかける。
「おい、ここらへんでボスをやってるエーベルのアニキって奴に会いたいんだが、何か知らないか?」
急にボスの話をされ驚いたのか動揺している。
「ア、アニキの客人か。分かった。アニキのとこまで連れてってやる」
どこかびくびくした様子だったが。そういうとこちらに手招きする。簡単に関係者が見つかったな。簡単に見つかるということは、それだけエーベルのアニキとやらの力が広範囲にわたっているのか。
何も言わずついていく。どんどん狭く暗い道に進んでいく。
「ここだ」
さっきまで狭かった道が広がり広い空間へと出た。 彼らのアジトに来たようだ。扉の前に着く。
「アニキ。あんたにお客さんだ」
おう。と一つ返事した声が奥の部屋から聞こえてくる。扉を開くと椅子に座っている大柄な男がいた。
「こんなとこにお客さんとはめずらしい。俺はエーベルハルト・メランダー。ここいらの悪ガキをまとめているもんだ。こんなとこに一体どういう用時だい?」
すぐにバレットが返す。
「強い人だとか兵器、禁術魔法なんかの噂なんか知らないかしら?酒場のマスターに聞いたらあなたが詳しいと聞いて」
少し唸り考えて間をおくと、頷き答える。
「ここらへんで最近噂になってるのは【赤月の刃】だな。うちのもんもかなりそいつにやられている」
「その【赤月の刃】の情報はもっとないかしら?」
バレットはそいつにターゲットを絞ったらしい。
「見た奴らをほとんど皆殺しにしてるからな。情報はかなり少ない。残念だがかなり強いということ以外には分からない。すまないな」
「いえ、こんなに情報をくれてありがとう」
そう言い、バレットはお金を渡す。
会話がひと段落すると、エーデルのアニキは俺たちに質問する。
「お前らそんな情報を何に使うんだ?危険なんだからあんまり首ツッコむんじゃないぞ」
「分かったわ、気を付ける」
バレットが基本バレットに応対して話はまとまり、【赤月の刃】についての情報はとれたし、特に危ないこともなく穏便に話をできてよかった。
俺たちはこの場を去り宿泊できる宿を探すことにした。
街まで戻ってくると、もう日が落ちて夜になった。このアーバンリフトは夜だというのに街灯や照明が眩しくて、まるで日が昇っているときみたいに明るい。
宿を探すのに固まって行動するのは非効率なので、バレットとソフィア、俺の二手に分かれることにした。
「この街はすごいのぉ。昼でも夜でも明るく賑わっておる。わしはこの町を気にいったぞ」
ソフィアは上機嫌なようで、軽くスキップしながら鼻歌を口ずさんでいる。
街を歩いて探し回るより酒場で人に聞く方が早いと思った俺は近くの通りの店に入った。
この街のどのお店もいつの時間も人に溢れかえっている。あたりを見渡してこの店の店主らしきひとを探す。人が多くてなかなか探し出すことができないのでとりあえずたまたま空いていた近くの席に座る。
魔法エリート一家の魔法が使えない俺が世界統一する話。 千葉 雛 @tiba-hina
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