祝日
「なー、せっかくの休みやのにどっか行かん?」
「急やな、ええやないか家でゴローッとしとっても。行きたいとこでもあるん?」
「べつにないけどぉ……」
「選択肢も用意してへんのに出かけよて、よぅゆうたな。ドラクエでも『はい、いいえ』くらいくれるで」
「ウチゲーム知らんし、そんな言わんでもええやん」
「ゴメンて」
「でもこんな天気のええ日に外出ぇへんのもったいなくない?」
「っちゅうてもなぁ。どっか候補でも出してくれたら別やけど」
「近いとこに買い
「買い物かぁ。昨日帰りに済ましてしもたで」
「えぇやん。そや、ペットショップでも見に行こに」
「ここ、ペット禁止やで?」
「え、そーなん? 三階の人なんか犬
「ホンマか」
「そんなんええから行こ。見に行くだけでもさぁ!」
「なんでそんな元気やねん。昨日あんな動いとったのに」
「なっ」
「オレらも犬飼うてると思われたんちゃうか? それもでかい
「アホォ!」
「イテッ、ちょっなにすんねん。冗談、冗談やて!」
「もうええ! このっ!」
「アダァッ! 弁慶の泣き所さんは勘弁して、弓矢ぶっ刺されても涙一つ流さんかった男がぶつけただけで涙滲ませた全人類の弱点……。ホイミ
「あ、ごめん。大丈夫?」
「いや、オレも悪かった。……出よか、ペットでもメシでも。気分転換や」
「ホンマ大丈夫? 足えらい震えとるで」
「ま、机の角ぶつけたら誰でもこーなるわ。時間経過で治るやろ」
「ちょっと待って、準備してくる」
「……いっつも思うんやけど、女っちゅう生き
「
「いや、
「それって知らんうちに自分の母親に似た人を理想の相手にしとったってコトちゃう?」
「……言われてみれば、性格? 口調とかどんくさいトコとかよう似とる」
「どんくさいは余計や」
「でもよう考えてみたら、理想と現実ってのはやっぱちゃうな」
「例えば?」
「中学生の時はフローラってお金持ちの女の子が好きやってん」
「さっきからちょくちょくドラクエ挟んできてるな」
「……え、知ってるやん」
ピープルカラー みかろめ @mikarome
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