私は美登環奈。昴君の未来の花嫁
ハル
恋より甘く、愛より痛い
きっかけはなんだったのだろうか? 確かそう……彼から告白してくれたんだっけ?
私の名前は
そんな環奈の彼氏は、
私が困っている時は、いつも真っ先にかけつけてくれて、優しく助けてくれるの!
もちろん登下校も毎日一緒! 私は嬉しいけど無理はして欲しくないの。だから毎日一緒じゃなくてもいいの。だけど彼は私が心配みたいで、必ず一緒にいたいみたいなの。心配しなくても私、誰にも
あ、そういえば生徒会もそうなんだ? 生徒会のメンバーの皆さんも、私達に気を利かせてくれて、空気をよんでくれてるの! 私いつも感謝してて、いつか皆さんにはお礼をしたいなって思ってるの!
私の彼は独占欲が強くって、授業中まで私の動向を探ろうとしてくるの。それ自体はとってもとっても嬉しいんだけれど、さすがに授業中に携帯電話を使うのはいけないと思うんだ? え? でも私への愛のため? だ、だったら仕方ないのかな? でも安心して、私は死んでも隣にいるよ?
最近彼、悩み事があるみたい。私はそれの解決に協力してあげたいのだけれど、私には相談できないんだって。私に迷惑をかけたくないっていうその気持ちは嬉しいんだけれど、私は貴方の彼女なんだから、なんだって分かち合いたいよ?
彼が友達と喧嘩したみたい。その友達は彼から私を引き離そうとしたみたいだけど、彼はそれを否定してくれたんだ! 私それが本当に嬉しくって、嬉しくて嬉しくて、今でも毎日思い出してるの!
彼は家族と上手くいっていないみたい。彼の家族は共働きで、一人っ子の彼はいつも1人で家にいた。きっとそれも関係したのかもしれない。彼は家族と対立するようになった。私は永遠に彼の味方なんだけれど、彼には家族と幸せに生きてほしい。だってそれは、私の義理の両親だから……
最近困ったことがある。それは環奈に付き纏うストーカーさんがいることなの。しかもそのストーカーさんは、同級生の女の子。さすがにはじめは自意識過剰って思ったけれど、毎日毎日私を写真に撮ってくるの。でも実害がでるまでは放っておこうと思っている。同性間でトラブルは起こしたくないからね!
最近、彼との時間が減ったような気がするの。理由はわからないのだけれど、彼から少し距離をおこうと言われたの。それを聞いて環奈、泣きながら嫌だっていったんだけど、環奈のためだと彼はひかなかったの。環奈、絶望したけれど、それでも彼を嫌いにはなれなくて、ただただ理由が知りたくて、それでたくさん調べたの。
それから環奈、友達や先生、大人の人にたくさんたくさんお話を聞いたの。そしてわかったことがあったの。それは最近、彼もストーカーに付き纏われていることだったの。
それから環奈、彼をストーカーするストーカーさんをストーカーするようになったの。そしたら驚いたことにそのストーカーさん、環奈の写真を撮っていたストーカーさんだったの。だから環奈、勇気を振り絞って叫んだの!
「貴方、なんでこんなことしているの?」
って……
環奈の声にストーカーさんは動揺していたけれど、すぐに環奈を睨みつけてきたの。そしてストーカーさんはあろうことか、腰に隠していた果物ナイフで環奈に切り掛かってきたの。でも環奈、必死に抵抗して、逆にストーカーさんを返り討ちにしてあげたの。へへへ、愛は勝つ! だよ!
ストーカーさんと環奈が争っているの、彼は気づいて止めようとしてくれたよね? でも遅かった。仕方なかったんだよ。だからそんなに落ち込まないで? いつもみたいに私の部屋で、ず〜とイチャイチャしてようね?
「てことで昴君? いつもみたいに環奈とイチャイチャしましょうね?」
「お前がその名前を語るんじゃねぇ!
昴君は、畏怖と怒気が混在したかのような表情で怒号をあげる。わからない、なんで昴君は
「昴君! ストーカーをしてた町田さんはもう亡くなったんだよ? だから安心して? これからは2人、末長く幸せに暮らそうね?」
「何を言ってるんだ町田……お前が俺の目の前で、泣き叫ぶ環奈の喉を掻っ切ったんだろ! 大好きだったんだ……大切だったんだ……返して、返してくれよ環奈を……」
昴君はそういうと、電池の切れたロボットのようにピクリとも動かなくなる。ただ瞳から滴を流し、声を殺して唸るだけ。
わからない?
「どうして泣くの昴君? 環奈のこと嫌いになったの? 環奈、こんなに近くで昴君を見つめているのに、昴君はどうして━━━」
「町田ぁ! ……ろす……殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」
昴君はそういうと、私の手にある果物ナイフを強奪しようとする。私はとっさにかわして昴君の右小指を切りつけた。
昴君はうなり声をあげながら、地面にのたうちまわり、泣き叫ぶ。私はそんな昴君を介抱しようと横から抱き抱える。
昴君はそんな私に恐怖と軽蔑の眼差しを向ける。わからない……なんで? 今まで
「……このおめめさんが……悪いんだよね? 大丈夫だよ昴君。私昴君のおめめさんが見えなくなっても、変わらず愛してあげるから!」
私は昴君の両眼を、果物ナイフで切り裂く。昴君は声ならぬ声をあげながら、ひたすらに私を非難した。
「どうして? なんで私にそんなひどいこというの? そんなのおかしいよ! そんなのいつもの優しい昴君じゃない! ……そっか、そのお口さんが悪いんだね? 安心して昴君。それも私が切り刻んであげるから!」
私は昴君の口の周りを、果物ナイフで切り刻む。昴君は死にかけの虫さんのようにジタバタとのたうちまわり、そして沈黙してしまう。
「あ! やっと昴君、静かになってくれたね。う〜ん嬉しい! これからも2人、末長く幸せに暮らしていこうね!」
私は静かに眠っている
「昴君、これから私達、永遠に一緒にいられるね? きっと神様も祝福してくれてるよ?」
私は昴君を抱き抱えて、テクテクと歩いていく。
その後、昴とその女をみたものは1人としていなかった。
私は美登環奈。昴君の未来の花嫁 ハル @amjgamusus
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