タニオリ島収集雑記
多聞
国立世界博物館創立前
民族資料収集のため、私はタニオリ島を訪れた。客引きを何とか振り切って日本大使館へ。友好的な雰囲気に肩の力が抜ける。輸出方法を確かめると、私は早速調査に赴いた。
最後の締めとして選んだのは、町の外れにある博物館だった。歴史を感じさせる建物と充実した展示。雰囲気に圧倒されていると、学芸員の青年と目が合った。誘い込まれるようにして奥の部屋に向かう。
厳重な扉の先に見えたのは、たくさんの顔だった。これらはある部族の宝だったといわれています、と青年が静かにつぶやく。様々な表情をした仮面には、どれも口がなかった。
部族の行方は分かっているのですか。いくら疑問をぶつけても、青年が口を開くことは二度となかった。
タニオリ島収集雑記 多聞 @tada_13
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます