武蔵野の家に呼び出された主人公の少年と、その祖父。呼び出された家には、こんこんと眠り続ける一人の娘がいた。どうやらその娘は、祖父が「彼ら」と呼ぶ者に憑かれているようだ。
祖父が彼らと呼ぶ者は、普段は動物の夢を食べているらしい。しかし自然と人間の土地の均衡が崩れると、稀に人間の夢を喰うために憑くのだと言いう。そして夢を喰われ続けると、その人間は命を落とすのだ。
少年はこの祖父の家業を継ぐために、今回は同行し、彼らに会うことになった。祖父が言う彼らは、気高く美しいモノだった。
自然と人間の均衡地、武蔵野。
これからも続いていく人間と土地の営み。
それらの表現が奥深く漂っている作品でした。
夢を喰う生き物と言えば獏ですが、彼らも夢を食べると初めて知りました。
是非、御一読下さい。