結 ―不信
お疲れ様でした。ここまでお読み頂きありがとうございます、お話はここまでです。
さて、あなたは、この一連の出来事の真相は何だと思いますか?
小学六年生の子供が、授業終了直後に、大勢の人間たちが存在する運動場の中心で気を失って、その後の記憶が無くなったまま、頬に傷を負って十分後に一人で目を覚ます。また、担任は倒れたことに気づいていない口ぶりで、また周りの子どもたちも、まるで何事も無かったかのような素振りを見せた。
私は今でも、一部の友人とこの話をしては納得のいく答えを探しています。しかし、一向にそれが見つかる気配はありません。どんな答えを用意しても、そこには必ず不可解な要素が残るのです。
考えが煮詰まるに連れ、私はこう思うようになってきました。
この出来事には、なにか人智を超えたなにかが介在したのではないかと。
そんなことあり得ないですよね、わかります。もっと考えようがありますよね、きっと。
しかし、その場所に臨場した私には、人智を超えた出来事が起こったとでも考える他にないのです。そうでなければ、私はある一抹の不安を拭いきることができませんから。
だって、もしあれが、非科学的な事象によるものでないのなら、ただ大勢の目の前で私が倒れて、一人で目を覚ましただけなのだというのなら、それが非日常の正体だというのなら…。
私は危うく彼らに殺されそうになっていたのですから。
非日常の正体 白銀 来季 @hakuginraiki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます