結 ―不信

 お疲れ様でした。ここまでお読み頂きありがとうございます、お話はここまでです。


 さて、あなたは、この一連の出来事の真相は何だと思いますか?


 小学六年生の子供が、授業終了直後に、大勢の人間たちが存在する運動場の中心で気を失って、その後の記憶が無くなったまま、頬に傷を負って十分後にで目を覚ます。また、担任は倒れたことに気づいていない口ぶりで、また周りの子どもたちも、まるで何事も無かったかのような素振りを見せた。

 

 私は今でも、一部の友人とこの話をしては納得のいく答えを探しています。しかし、一向にそれが見つかる気配はありません。どんな答えを用意しても、そこには必ず不可解な要素が残るのです。


 考えが煮詰まるに連れ、私はこう思うようになってきました。



 この出来事には、なにか人智を超えたなにかが介在したのではないかと。



 そんなことあり得ないですよね、わかります。もっと考えようがありますよね、きっと。


 しかし、その場所に臨場した私には、人智を超えた出来事が起こったとでも考える他にないのです。そうでなければ、私はある一抹の不安を拭いきることができませんから。



 だって、もしあれが、非科学的な事象によるものでないのなら、ただ大勢の目の前で私が倒れて、一人で目を覚ましただけなのだというのなら、それが非日常の正体だというのなら…。




 私は危うく彼らに殺されそうになっていたのですから。

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非日常の正体 白銀 来季 @hakuginraiki

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