第3章『つかの間の休息』

午前10時05分エリア中1年2組は武装集団により占拠され、人質に取られてしまった

事の発端は20分前まで遡る....

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

休み時間2人は屋上にいた。

「ねぇ柊馬、昨日の対象についての情報聞いてる?あんまりないよね対象についての情報がほとんどないなんて」

「だなぁ〜摘発される理由どころか名前すら知らされてなかったもんなぁ〜」

その時大きな音と共に銃声が鳴り響いた。

そして音の発生主と思われる集団が校内に入るやいなや3班に別れ、その内の1班が1番近い教室、1年2組を占拠した。

2班は職員室、3班は各部への見張りを命じた。

賊は全員銃で武装しており、真っ黒は防弾スーツ、ヘルメット、サングラスをしている。

音がなった直後、陽、柊馬はこの状況を打破するべく作戦を立てていた。

毎回任務の際は陽が指示を出しているため、今回の指揮系統も陽が持つ。

「陽、作戦はどうする」

「まず初めに....」

その時「ダンッ!」という音を鳴らし、屋上に見張りの3人が勢いよく入ってきた....

その頃の教室は静まり返り、賊の小さな指示声だけがかすかに聞こえる。

職員室を占拠した賊の2班は身代金を要求しており、その額は10億円。

校門前や屋上にも見張りがいるため警察も迂闊には手を出せない。

1年2組35人の生徒と、教職員15名の命が柊馬と陽にかかっている。

「さっきはありがとな陽、危なかったよ」

屋上に賊が入ってきた際

「はッ!...柊馬くん!隠れて!倒したらダメだぁ!」

「あの言葉がなかったら確実にヤッてたよ」

陽は賊の体になにが仕込まれているか、それよりも、賊が魔法を使えるかどうかを判断するため、今の段階で見張りを倒してしまうと

それを確認出来なくなるということを考えているのだ。

「こちら3班、屋上クリア。」

班の1人が隊長格に無線機で連絡を取っている。

「了解、シールド魔法を展開しろッ。」

陽の読みが当たり、賊は魔法が使える。

・・・教室を占拠した2班は未だ動かず、ただ指示を待っているように思える。

1年生は今日の午後から基礎能力を開花させるため、今の段階では魔法が全く使えない。

賊はそれを読んで1年の教室を占拠したのか...

それとも偶然なのか...。

その時、職員室に1本の電話がかかってきた。

校長が電話を取り、「身代金は現在手配中だ、もうしばらく待て」

という言葉をそのまま賊に伝えた。

「ふんッ...わかりやすい時間稼ぎだ...警察に伝えろ、有余は20分だ。それまでに準備が出来ない場合、人質を2分置きに1人殺害してゆく。もしくは警察が侵入してきた場合は、すぐに人質を全員射殺する。」

・・・電話から10分がすぎ、陽と柊馬の作戦も形になってきている。

その時!校門の方から大きな鉄音が鳴り響く、音の方を見ると、警察の特殊装甲車輌が校門を突き破って入ってきた。

乗り込んでいるのは警察...かと思われたが、運転しているのは警察の服を着た賊の仲間。

そう、自作自演の突入だ。

賊の要求は身代金だが、それ以上に人質を殺すことも目的だったのだ。

「ふんッ...馬鹿な役人だ人質を射殺しろ...」

その言葉を言いながら、彼は笑っていた。

「りょーかいww..隊長w」

そして...1発の銃声が鳴り響いた....。


4話をお楽しみに!


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迷道(めいどう) @Riyanookura01

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