失礼します、私は…〜表紙の中の本音を吐く場〜
Latt
第1話〜ある令嬢の悩み〜
失礼します、私は花の国の公爵令嬢フローレでございます。
実はこの日記帳、私の書棚に入っておりましたの。
今日は一日国中の花についてまとめた資料をいくつか読んでいたのですが、この日記帳があることに気づかなかったのです。
何故なのでしょうか…
でも、気になりますし。のぞいてみましょう。
読んでみると、この日記帳は毎日違う人が持って書いているようですね。
あら?ここからは何も書いてありませんね…
まあ。よくわからないですけど前の人のを参考にして私が今日の分を書いてみましょうか。私の書棚に入っていたということは書けということだと思います。
だって部屋の中にメイド達のいない時にこれを見つけたのもありますが、何故かこのページに私が書かなければいけない気がするのです。
自然の国歴3471年。8月29日。
私は花の国の公爵令嬢であるフローレです。
私は17年ほど前に生まれ、それまで公爵令嬢という立場のおかげで不自由なく暮らしてきました。
ですが、私、「夢」というものが無いのです。
これが1番不自由なことなのかもしれません。
「あなたはまだ子供なんだから。まだそんなこと考えなくてもいいのよ」
小さな頃はそう言われました。
でもこの国は18歳で成人。私は17歳。
「あなたは公爵令息か王子、侯爵令息と結婚して後継を作り、家を繁栄させること。」
今はそう言われるようになりました。
でも、そんなの面白くないじゃないですか。
おかげで今の私には「夢」というものは無いのですが。「叶えたいこと」「目標」はあるのです。
それは「一緒にいて楽しいと思える人を見つけること」「そのためにたくさんの場所へ冒険に行きたいこと」です。
前日までの日記を見てみると、私の知らない国ばかりです。でも、知っている国もある。気がします。
でも、何故かどれも自然の国歴で書かれていますね…
もしかしたら何か仕掛けのようなものがあって翻訳されるのかも知れませんね。
それに同じ人のところへ戻ってくることは全く無いようです。
それはわかっているのですけど。戻ってこないことはわかっているのですけど!
あの。教えてください。
冒険へと私を連れて行ってくださる方はいますか?
失礼します、私は…〜表紙の中の本音を吐く場〜 Latt @Blatt
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。失礼します、私は…〜表紙の中の本音を吐く場〜の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます