第4話「転勤先で」

転勤先にやってきて2日目。

特に変わったことは無かった。

新人だからといって配慮してくれることのなくビシバシと働かされているのだ。

歓迎会だってされてないんだぞ!?

だからこの日もいつも通りに仕事が終わった。


はぁ、そろそろ彼女に会いたいな。


日に日に募るストレスと疲れからそんな思いが雲隠れしていた。


そして最近、とても気になったことがある。

同僚の水橋(みずはし)さんが凄く落ち込んでいるのだ。

なんと言うか…寂しいですっと訴えている様な疲れた様な…。。

そんな彼女を見捨てる訳にはいかなかった。

「あ、あの…水橋さんでしたっけ?大丈夫ですか?」

俺は挙動不審になりながらも彼女に声をかけた。

「え?えぇ…貴方は…確か藤ヶ谷さんですよね」

水橋さんは少しだけ僕に目線を向けた。

「あ、はい!」

名前を覚えてくれている事に嬉しくてつい声が弾む。

「…大丈夫です」

彼女は小さい声でそう言った。

どうやら内気な人らしい。

そして、どうしても人には言えない事情と言った所だろうか。

「そうですか…」

僕も少し寂しそうに微笑んだ。

そして一日目と変わらず俺は仕事に取り組む。


仕事帰りに何か買って帰ろう。

帰りにふと、そんなことが浮かび上がって来た。

特に祝い事とかはないがそんな気分なんだ。

そうだ、今日は俺の大好きなスイーツを買おう。そうだ、そうしよう。


◆◇◆◇◆◇


鍵を開けて家に入ると誰も居ない部屋は静まり返っていた。

靴を脱いで中に入り自然な流れで電気をつける。

君は僕がここに何年住んでると思ってるんだ?

そしてリビングまで歩くとソファーに腰を下ろした。

ソファーが僕を受け入れてくれるかのように重たい体がずっしりとソファーに沈んでいく。

そこでやっと一息ついた。

はぁ。。

当社は本当に身勝手な人が多いと思うんだが、よく社会人になれたな。

呆れてものも言えないよ笑

色々と文句はあるが仕事より今が大事だと考え直してスイーツを包装から開け始める事にした。

ーENDー


追記

最後まで読んでいただき有難うございます。

アドバイスやコメントがありましたら改善したり、お返事しますのでご自由に僕の作品へのご感想を書いて頂ければ良いなと思っています。是非、他の作品も見て頂けると嬉しいです。




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ガチ恋勢の妄想 梨。 @Yuzunasi

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