おまけ マドレーヌ劇団と北公爵
「やあ。君たちが・・・・・・『新人』ということで、いいのだね?」
そう、穏やかに微笑む初老の男性。広大な農地を映したようなブラウンの髪から
俺たちが北公爵領に送られてきたのは、卒業式典が無事終了したであろう深夜二時頃。
そうこう考えているうちに公爵領に着き、別々に個室という名の『独房』のような窓一つない部屋に入れられた。おかげで、先程一人で考えていたことをもう一度
そして、迎えた朝。俺は自分の行いを振り返っていたため、全く寝付けず・・・・・・気が付いたら朝を迎えていたので、少し頭がぼんやりとしていた。他二人と溶かされたマルレーヌ嬢は、ギャーギャーワーワー・・・・・・耳が裂けるかと思った。朝からとても元気だった。きっと、よく眠れたんだろう。この状況でよく眠れるもんだ。
北公爵様が現れると、ゆったりとした時間が流れる北の領地に似合う穏やかな雰囲気を纏っていたからか、三人は黙って見つめたいた。マルレーヌ嬢は、うっとり・・・・・・してる? 顔がいいからかな。俺は考え込んでから負い目を感じているので、挨拶でも顔を上げづらく、ほぼ下を向いていた。声をかけられて一瞬見えた、海よりも濃い青い瞳に値踏みされている気がするのは、やはり俺だけのようだった。
挨拶が終わると、北公爵様は俺たちを――というより、俺以外は一緒にどこかへ連れて行かせた。え、俺だけ何で居残り? 馬車馬のように働くんじゃないの?
未だワーワー喚いていた、以前は甘ったるく聞こた声とギャーギャー唸る声たちが聞こえなくなると、再び声をかけられた。
「・・・・・・どうやら、己の状況を理解できているのは、君だけみたいだね」
茶目っ気たっぷりにウィンクをしながら、この地の
こうして俺は北公爵様の下で、鬼神が
・・・・・・いつの間にか、他の
「ワイバーンなんかに、この地を取られるな!!」
「「「「おぉー!!」」」」
っていうことがあったとか、なかったとか。
【完結】悪役だった令嬢の美味しい日記 蕪 リタ @kaburand0
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