少女・イロハには、自分が思った通りの色を他人に見せるという能力を持っている。小学生の頃、それに気付いた彼女は、能力をこっそりと使っていたのだが……。異能力の光と影を一人の少女が語る現代ファンタジー。「普通」な彼女の感覚に、深く共感します。また、イロハのおじさんの存在も、物語世界に深い疑問を投げかけます。繊細な色の描写も相まって、ラストシーンには胸を打たれました。