何がやべぇかと言うと、まず文体。教養の高さがミディアムレアの分厚いステーキの肉汁のようににじみ出てます。
本作の作者は、「異聞・鎮西八郎為朝伝」(※模造品にご注意ください)という源平活劇もものしていますが、時代の雰囲気を浮き彫りにする上品な文体を読んだ時、「こ、こいつタダモンじゃねえ!」と腰を抜かしました(こいつ呼ばわり失礼)。一方この「フィーネ・デル・モンド!」の文体は、まったくの正反対。ルビでボケ又はツッコミを入れるという常時ハイテンションなスタイルですが、相当「わかってる」人でないと使いこなせない文章で、読んだ時は「こ、こいつタダモ(以下略」と腰を抜かしました。かと思うと、章間のシリアスな「教会史」は、どこの旧約〇書だよというくらいの「らしい」文章。抜けた腰が戻らないので、今寝ながらこれを書いています。
そしてもちろん、グルメを唸らせる料理の描写も見逃せません。こんな文章スキルマスターが繰り出す美食描写の数々は、就寝二時間前の閲覧をお勧めしないレベルです。
主人公と仲間たちの掛け合い、容赦なく読者を襲う珍味佳肴の描写。そして独特過ぎる世界観。かつてサヴァランは、「食卓は、初めの一時間のあいだ、人が決して退屈しない唯一の場所である」と書きましたが、この作品は長く読者を退屈させない「食卓」です。この作品に出合えた幸運に乾杯!
まずタイトルを見ればお分かりの通り、
この作品のテーマはグルメであり冒険活劇であります。
作品に合わせた言い方をすれば主食とメイン料理でしょうか。
しかしこの作品はそれだけで終わらないのです。
ここは実際に読んでいただくしかないのですが、
ルビの振り方を始めとする軽快でセンスの効いたコメディの彩りが
冒険を少年漫画のように楽しげな雰囲気にしてくれます。
またまた料理に例えて言うなら気の利いた付け合わせと申しますか、
料理と補完し合うドリンクと言いますか。
グルメ、冒険、コメディ、どれかがお好きならきっとこのコース、
お気に召すと思うのです。
貴方も一度、味わっては見ませんか?
すません、ついつい韻を踏むのが好きなもので…
もう一つの一言フレーズは「ファンタジー美味しんぼ」!!。
そしてこのお方の文章力はバねぇっす!もはや聖書!教科書です!
凄まじく緻密、綿密に練られた歴史背景、どんだけだよ!!
と、ツッコミたくなりました!
更にこのルビの使い方が独創的で、実に鮮やかで心情を転がしまくります!
「ルビ使いの魔術師」の称号を独断と偏見で認定させていただきます!然り!
そして、所々に散りばめられた小ネタの数々、分かる人には分かればいい、
分からなければ雰囲気だけでも楽しんで!(勝手解釈)
と孤高のスピリッツに感銘、共感!
荘厳な雰囲気からのコミカル路線の緩急の付け方が絶妙!
是非ともご賞味あれ!いざ実食!!