第62話 番外編 続戸村は3分以内に 

 すっかり静かになってしまった家庭科室で洗い物をしながら、


「戸村、毎日90秒でも大変なのに、今度は動画投稿サイトって、長編にでもするのか?」


おずおずと聞いてみると、


「テレビで昔から有名な料理番組といえば、き◯うの料理とキ◯ピーの3分クッキング。25分か3分か。90秒でも大変なのに25分はもうぐたぐたしちゃう。となると3分。でも、今の所は90秒が時間制限だし。とかぐちゃぐちゃ考えたら、もう3分以内クッキングをユーチューブでってなるだろう?」


これは90秒でまとめていたものを少し長めに動画を挟んだりして3分にするんだなと合点がいって


「そっかー。できる範囲で手伝うよ。」


そう相槌あいづちをうつと、


「タケちゃんが口に出さなくても頭で考えた事俺には分かるよ。」


と戸村が不気味に微笑んだ。


「そして、そのタケちゃんの考えは間違ってるから。3分以内クッキングって言ったよね?」


………


「タケちゃん、ストップウォッチ3分よ。オッケー?」


「陸上部のストップウォッチわざわざ借りる?」


験担ぎげんかつぎだってさ。早くできそうって。」


「いや、何もリアルでライブ配信3分クッキングって無理しなくて良くない?牛乳と混ぜるだけ、みたいなのかと思ったら、キャベツの千切りからとか。」


「戸村、何目指してんだろ。」


「イケメンな手による3分でお好み焼きだ!」


イケメンな手?いやその前にやめろーお好み焼き好きが怒るぞ!!



時期的に高校2年。



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コバルトとヨウ素 柴チョコ雅 @sibachoko8

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