ミクロにマクロ

ちっちゃいミクロ

おおきいマクロ

いました。

二人とも、とても仲良しです

お出かけは、いつも一緒。

お小遣いを手に駄菓子屋さんに行きます。

そして、お菓子を買っては、店先のベンチに座り、一緒に食べるのです。

夕方になれば、バイバイをして二人は自分の家に帰ります。


ミクロとマクロは手を繋ぐ時、小さいミクロは少し背伸びをして、大きいマクロは少し縮こまり、お互いの手を大事に握ります。


ミクロとマクロが、ご飯を食べる時、同じ量でもミクロは多く感じてマクロは少なく感じてしまうので、二人は大人の目を盗んではミクロはマクロに、ご飯を渡したり、ちょっとズルっこになります。ちゃんと大人に言えば少なく多くしてもらえるのに、二人の秘密はワクワクドキドキしました。


今日もミクロは背の届かない本をマクロに取ってもらいます。

マクロは下に落ちてしまった本をミクロに拾ってもらいます。


二人は、とてもとても仲良しです。

ケンカをする時は、ただ一つ。

好きなものと嫌いなものでした。

ミクロの好きなものはマクロが嫌いで、マクロの好きなものはミクロが嫌いです。

それは「甘い」と「辛い」でした。

どちらも「これ」が一番好きで、どうして自分たちは違うのだろう、と首を傾げます。

がんばって食べてみても、二人して不味そうな顔をするのでケンカをしてしまいます。


(つづきます)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

一日一編集『LOSS』 朶骸なくす @sagamisayrow

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ