武蔵野ミステリー

マッキー

第1話すべての始まりの地

ここは、武蔵野。


みんなは、武蔵野と聞いて、何を考える?

山、自然…。謎が多いところ。

俺は、その謎を解明したいと思う。


今日俺は、ここ、「武蔵野」の地にやってきた。

周りを見渡すと、木々に囲まれていた。

恐ろしい…


少し歩いただけで、もう来た道が、わからなくなる。

自然の断りを、受けているのか…

「俺をどうか今日だけでいいから受け入れてくれ」

そう願いながら歩き出した。


この地に、足を運んでみて、何点か気づく。


まず、空気がきれい。

そして、鳥や、虫の数が他の山と比べて、圧倒的に多いと感じる。


「これは、すごい」


それだけ、住みやすいのだろう。

そして生き物に愛されている。



気づけばおれは、空を見上げていた。

無意識の行動。寝転がっていたのだ。

自然に溶け込んだかのように、気持ちがよかった。


すべての生き物は、この不思議なパワーで、ここにとどまるのだろう。

そして、いずれは、土に帰る。

この繰り返しで、生きものたちは、生きているに違いない。


そして「これは大発見だ」

木と木の間から、花が咲いている。

こんなこと、普通はありえない。


おそらく、虫が運んだ、種が、木の間に落ち、その木の栄養だけで、

花が咲いたのだろう。


これが

本当の自然の力。

感動だった。人の力ではない。自然の凄さを改めて知れたと思う。


感動に浸ってると、後ろの林から音が聞こえた…


「なんだ?」


振り返ると、イノシシの子供だろうか?

何匹かいた。

さすが武蔵野。

野生動物もやはりいたか。

子供がいるということは…


みんなも気が付いたことだろう。

やつも必ずいる。

出会ったら逃げよう。


俺は近くに「やつ」がいるかもしれないから、この場を去ることにした。


そしてそのまま山の奥へ…


1時間くらいだろうか…

歩いても歩いても、風景に変化が見られない。

時間と体力だけが削られていく。


「うおおおおおぉ」

しびれを切らした俺は走り出した。


とにかくまっすぐ、木や枝をよけては進む。


その時だった。


「うわぁ!!!」


異変を感じ、立ち止まり下を向くと崖のぎりぎりに

俺は立っていた。


「危なかった…」


もう少しで落ちていた。

この時、冷静さをなくすと、やばいと思った。


しかし、目の前を見ると、山しか目には映らなかったけど、

とても美しいと思った。

「なぜだ?」


このときは、考えてもわからなかった。


「よしっ!頂上を目指そう」

そこに、謎の答えがあると、思った。


あたりが少しづつ、暗くなりかけている。

夜になるまでには、帰らないと…


明かりもないため、危険なのだ。

俺は顔を上げ、頂上へと、歩き出した。


足が重くなってきた…

「もう少しだ」

休むという選択肢もある。

しかし、早く行きたい。


二つの気持ちを天秤にかけた結果…

「進む」という答えになった…


「はぁはぁはぁ」

疲れはピークに…


それでも上り続けた。



さらに1時間後…

「やったーー」


ついに頂上に着くことができた。


時間は、夕焼けだった。


おれはとりあえず、腰を下ろした。


「・・・・・・・・・・・・・・」

さらにさらに1時間後…

「あぁ…」


疲れで目が閉じていた。

そして夜になっていた。


「やべっ」と思ったけど、

「暗くない?!」

なんと星の光のおかげで、とても明るかったのだ。


そのまま頂上から景色を見渡す。

「これはっ」


武蔵野は、なんと平地が多かったのだ

木も確かにある。

しかし平地の部分のほうが多い。

これは、ほかの山では、考えられないことだ。


さっき美しいと思ったのも他と違ったからなんだろう。


この地を見ていると、「始まりの町」と言われても、信じると思う。


それだけ神秘的なのだ。


この感動は実際に現地に行かないと味わうことはできないだろう。


帰り道…


ふと何かの視線で後ろを向くと、イノシシの群れがいた。

そして「やつ」も。


しかしやつらは、こちらを見ていただけ。

何もしてこない。


これはもしや…


頂上に行った俺に、動物たちから祝福を受けたと思った。


しかし、貴重な経験をたくさんした。


そして、不思議なことがたくさんあった。


俺は、この山は、【武蔵野ミステリー】と名前を付けた。


そしてすべてはここからはじまるのだと。

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武蔵野ミステリー マッキー @kaito0823

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