第99話 流転の境界
神社に入った途端、景色が一変した。静かで美しくも慎ましい神社の面影はなく、そこは言わば亜空間。
周囲に不穏な妖気が流れ、空は血のような太陽の光に照らされ、神社内はその構造が無理矢理つくりかえられているようで、まるで迷宮のようだった。
「この美しき神社でなんという忌まわしい行為を! おのれ
「ふむ。予想より早かったな
声がした方を全員が見れば、藤色の着物を纏った
「
その声と同時に、地面が揺れ
「
齋藤の声が響くが、気付けばその声は遠くなっていき、その場の全員が転移させられていた。
****
「うわっと!」
「あー
服に着いた泥を払いながら呑気なことを言う
「……俺達だけか。ここは」
「そうみたいですね。んと、じゃあ……どう、します?」
おそるおそる
「確かー
「……異論はない。俺も
二人に頼まれ、
「……前方には……気配なしです。進みましょう」
****
「あひゃあ!?」
着地に失敗した
「大丈夫?」
「あ、はい! 感謝いたしますです!
明るく答える
「二人。周囲確認求む」
そんな二人を見つめながら、
****
「おい、無礼野郎と……
「
「お、落ち着きなんし! ここにはわっち達以外いないようでありんす! 他を調べたら良いかも?」
「そーかよ! 行くぞボケ!」
先陣を切ろうとする
「君が先に行くのは私の
「
二人のやり取りをハラハラした様子で見守る
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