第83話 師弟と
「
「
彼の周囲に花びらが舞い、
「……俺の知らない技、ですね」
「君が望む力ではなかったからね。それで?
「くっ! 当然!
「
「なっ!?」
「教えたはずだよ? この
一端言葉を区切ると、両サイドに控えていた
「
二体の
「くらえ!」
「くっ!」
(実力差がありすぎる……! こんなに、強かったのかよ! この人は!!)
圧倒的な実力差を体感した
「
男が不思議そうに声をかければ、
「ははっ……こんなの勝てるわけないじゃないかよ……。こんな! こんな実力差なんてさ……。なぁ、先生……教えてくれよ……強さって……力ってなんだよ……? なぁ!!」
八つ当たりにもほどがある言葉を、だけれど師匠は優しく受け入れようだった。彼は口をゆっくりと開く。
「そうだね……僕も思うよ。力とは……強さとはなんだろうってね? ……
「……なんですか……」
静かに答える
「強さというものは、きっと自分自身で決めることなんじゃないかな。なにを、どのように強いと感じるのか、てね。そして力というものは、それに
その問いに、
(どうありたい? 俺は……俺が?)
ふと。
「なりたかった……。俺も父さんみたいな、人間に……」
絞り出せた言葉はそれだけだった。
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