第82話 あの時
(あぁ……。思い、出した。俺は……あの時……)
あの時、
だが、それを止めたのもルッツだった。彼は
『
──想いのぶつけ方? 俺は、復讐したいんだ。先生だって、言ったじゃないか。
『言ったよ。でもね? それは復讐に
──じゃあ、なんだっていうんだよ?
『それは、君が自然と理解するもの、いや、君が君自身で得るものだよ。だけれど……そうだな。今の君は少しばかり見ていられない。だから……少しだけ。少しだけ、思考をズラそうか』
****
「……っ!」
あの時のやり取りを思い出した
「……
「……るせぇ、よ……。俺は……俺は!!
「その想いをぶつけたい? だけれど、それは相手の思うツボだよ?」
穏やか、だが冷静なルッツの言葉に
「じゃあ、どうしろって言うんだよ!? 止められないんだ! この……憎しみが!!」
自分の胸を押さえながら訴える
「……じゃあこうしようか。君に更なる力を与えよう。……僕に勝てたのなら!」
ルッツの言葉に
「……先生?」
「
そう告げるとルッツはいつかの
「なっ!?
「
あっさりと答えるルッツに
「……先生。あなたは一体……なんなんだ?」
「……今はあえてこう名乗ろうか。僕は
男は本来の名を告げると、
「さぁ来なさい。そして、示しておくれ。君が得た力を!!」
どこまでもまっすぐな視線に、
「……先生。俺は……俺の
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