第54話 落としどころ
"
「はっ!」
「平穏を望むなら、くれてやろう。
"彼"はサーシャの首筋に思い切り噛みついた。驚きのあまり動けないサーシャの
「うっ……うぅ……力が! 力が全て持っていかれるだなんて……! いいさ、いいさいいさいいさ! 殺せよ! 殺しておくれよ!」
わめき散らすと、サーシャは地面に大の字で寝転がる。その様子を見た"
「忘れたのか? なぜ、
それは、
そのことを理解したのか、サーシャは涙を流し、訴える。
「だからこそさ! だからこそ……愛してくれない人間どもが
「だからと言って、殺して良い理由にはならないのでございますよ。……僕は片割れを愛しましょう。
「元が同じなのでございますから、家族と言っても差し
どこまでも優しい声色に、サーシャは今度は別の涙を流す。その様子を見て、
突然のことに、激しく動揺するとサーシャは叫ぶ。
「な、な、な!? 片割れだからって、何してもいいとか思ってるわけ!?」
「えっ? ダメなのでございますか? っていうか、物凄く軽いでございますね……まるで女性のよう……」
「えっ……なんで女ってわかったの……?」
****
大人しくトクタイの隊員達に捕まるサーシャを見送りながら、
「さすがの私も、この展開は予想できなかったぞ? まぁ
駆けつけた齋藤にそう声をかけられ、どんな顔をしていいのかわからなくなる四人に齋藤は続ける。
「……とにかく! 被害は深刻だ。立て直しを
「よし! では全員、家まで送ってやる!
こうして四人は休暇という名の療養を命じられたのだった。
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