第20話 知るということ
「目が覚めたようだな、
「……どういう、意味だ……?」
「貴様の
齋藤にそう指摘されて、
「……どうすりゃ……いい?」
その声はいつになく弱々しいもので、
(いや……そもそも、俺が声をかけたところで、何か変わるのか? ……嫌われているのに?)
そんな思いが頭をよぎれば、
「
「……知らないなら、知ればいいんじゃないかな?」
口を突いて出た言葉は、予想以上に周囲に響いたらしい。みんなが目を丸くし、
(えっ? あ、思わず言っちゃったけど……どうしよう?)
自分で言っておきながら困惑してしまう
「知るっつったって、どうしろってんだよ……? 実家の連中すらお手上げだったんだぞ?」
そう答える彼女に対し、今度は
「あの……思ったのでございますが、トクタイの資料室などで調べてみるというのはいかがでしょうか?」
彼の提案に
「なっる~! いーんじゃね? オレちゃん、大賛成!」
明るく言う彼に感謝しつつ、
「……この借りは必ず返すからな!」
いつもの調子を
****
「そっれでー? どっから調べるんスかー?」
四人は、資料室で何をどう調べるのかをEチーム専用の部屋でひとまず話し合うことにした。
「つーか、チャラ男。てめぇは”
「う~ん?
あっさりと言う
「結構知ってるじゃないですか!?」
「
「てめぇ……しらばっくれてんならしばくぞ!?」
そんな三人の反応に、
「えぇー……うっそ~ん? オレちゃん、おちこぼれなんスけどー?」
彼の様子に、今度は三人が困惑する番だった。しばらくの沈黙の後、
「と、とりあえず……資料室に向かいましょうか?」
「そうでございますね、はい」
「チャラ男……ほかにもしらばっくれてたりしたら、殺すからな?」
「えー……」
そんなやりとりをしながら、四人は資料室へと向かった。
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