第9話 翌朝になって
翌朝。
九時前だというのに、すでにEチームの四人は部屋に集まっていた。
「おっは~。
すぐに全員の体調を気遣う
(この人の方が、リーダー向いてるんじゃ……?)
口に出すのはやめ、そのかわりに
「みんな元気ってこと、ですかね?」
「それは何よりだ。初日からバテられていては話にならん。おはよう」
「きょ、教官……いつ、その、いらっしゃったのでこざいましょうか?」
「気にするな。では早速、これからのことを話す……前に部屋の設営を行う! 全員、協力するように!」
言われてようやく、この部屋にゴミ箱以外なにもなかった理由を理解した四人だった。
****
「なんっで、俺様がこんなことを! クソが!」
文句を言う
「
素直にお礼を述べる
「んん~? べっつに~? そんなことないっスよ! 気楽に気楽に~」
次々と折り紙でできた
入口付近にソファーとローテーブル、壁際と窓際に二つづつ机と椅子のセット、そして間接照明や観葉植物や各々の荷物を置き、設営が終わったのは昼頃だった。
「ふむ、このような配置か。さてと昼だが貴様らはどうする? 食堂や売店があるが?」
設営を見守っていた齋藤が声をかければ、
「あ? 馴れ合うつもりなんざねぇわ! 飯は勝手に食うわボケェ!」
彼女の言葉に
「お~、
「るっせぇ! 殺すぞ! イライラすっから行くわ、バカ共が!!」
「あの、僕も食事は一人派でございまして……はい。なので、その、失礼いたします。また、のちほどお会いいたしましょう」
丁寧に頭を下げて部屋を出て行く彼に何も返せず、
「どーするよ、リーダー? 今んところバッラバラなんスけどー」
「あははは……どうしますかねぇ? いや、ホントに……はぁ」
今日は二人とも弁当だとわかったため、設営したばかりの部屋で食べることになった。齋藤は十三時から説明すると言い残してどこかへ行ってしまった。
「えっ?
早速ソファーに並んで座り弁当を同時に開けた瞬間、
「そうですけど……どうしたんですか?」
「いやー
「は、はぁ?」
不思議そうに首を
「うーん? オレちゃん的には嫌いじゃないっスよ? うん。健康的にどーかわっかんねぇースけど」
「健康的に? よくわかんないですけど、まぁ食べますか?」
「……そうっスね~。んじゃぁ、いっただきまーす!」
「いただきます」
弁当に手を合わせると、二人は食事を開始する。なお、
正反対な弁当を食べ出すと、
「……ちょっと失敗したなぁ」
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