第5話 邂逅
「はぁはぁ……」
時間が経つにつれて荒くなる呼吸を整えつつ、
(うん、ちゃんと機能したままだ。本当に凄いな)
……神経が張り詰めていて気が全く休まらない中思考を巡らせる。
(あれから何時間経ったんだろうか?)
試験が始まってから、数体の
なるべく力を温存しながら道なき道を進んで行くと、しばらくして妙な気配を感じ取った。
足を止めて
(鈴は一回鳴っている……けど、この気配はなんだ?)
困惑しながら、気配がする方へと慎重に近づき、すぐそばにある木の陰に隠れて様子を見れば、そこには試験会場で出会った少女がいた。
(あ。確か自分の事を俺様とか言ってた、態度の悪い女子!)
少女は大柄で毛むくじゃらな
「はっ! それ以上来てみな? どうなっても知らねぇーぞ!」
「小娘が! 死ねぇぇええええええ!!」
「……はっ?」
「だから言ったじゃねぇかよ……知らねぇーぞってな……。俺様にケンカを売ったことを後悔しながら死んでいけ!
彼女の
「な、なんだ……あれ……」
「ぐはっ! ごは! ぐぎゃあああ!?」
汚い悲鳴を上げながら逃げようとする
「逃げようってか? はっ、ソイツは無理だぜ? 俺様の
少女の言葉に
(な、なんなんだよアレ。あんなのって……)
悩む
『いいかい?
「……死ぬのは、俺か」
どうするべきか悩んだすえ
「
"なにか"の攻撃から逃げようとあがく
「てめぇ! なに人の獲物を横取りしやがる!? ぶち殺されてぇのか!?」
怒鳴る彼女に
「横取りみたいになったのは謝る。だけど、あんな、しつこく攻撃することないだろ! 早くトドメを刺してやれよ!」
「あぁ!? 人のやり方にケチつけようってかぁ!? いいぜぇ……ここでぶっ殺してやるよ!
少女が"なにか"を呼ぶが、反応がない。数分の沈黙の後、少女は盛大に舌打ちをし、
「ちっ、てめぇが人間だから反応しねぇじゃねぇか! クソが!」
少女は近くの石を蹴り飛ばす。
「てめぇの顔は覚えたからなぁ! 横取り野郎が!」
暗闇の中、少女はさっさとどこかへ行ってしまった。その背中を見つめながら、
(恨みを買っちゃったな……。でも、見ていられなかったんだ。あんなのは……)
「見て、られないんだ……」
一人呟くと、
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