第18話丘の上のパン屋

魔法都市に始めて来たので観光と情報収集を兼ねて街を散歩する事にした。新しい街は見るもの全てが新しく新鮮で感動した、最初は気付かなかったが魔塔が大きな時計塔になってるのが凄いと思った。


 休憩をしに町外れまで来ていた、図書館で白さんにオススメのパン屋がこの近くにあると聞いていたので、そこに向かっていた。


「丘の上にあるって言ってたからこの辺りの筈なんだよな」


坂の頂上に小さな建物が見えた。焼きたてのパンの良い匂いがしたので、あの建物で間違い無いだろう


「いらっしゃいませ」


色々な種類のパンが置いてあった、どれも美味しそうだった。


「オススメとかありますか?」


「これとか一番人気でオススメです」


「それ下さい」


「お買い上げありがとうございました」


店の前に置いてあるベンチで読書でもしながら食べ用と思い、ベンチに向かって歩いて行くと、街全体を見る事が出来て最高の眺めだった。


「面白いですか?」


後ろから声が聞こえたので振り向くと――白さんが立っていた。


「面白いです……ただこれは物語というよりは日記な気がします」


「そうですね私もそう思います、著者を良かったら見て下さい」


著秋月茜


「茜さんが書いたんですか?」


「はい、なので私も実話だったのか気になったので先生に尋ねたのですが……はぐらかされました」


「茜さんらしいですね」  


この本が実話だったとしたら勇者の成し遂げた偉業は凄いが、それと同時に勇者のしてしまった事はこの世界を変えてしまった事になってしまう。


「暗くなってきたので戻りませんか?」


「そうですね、帰りましょう」


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