第15話白

「許可証を渡すには試練を一つ乗り越えてもらわないといけない」


「どんな試練なんですか?」


「私の裁量で決められるんだよね、明日発表するからとりあえず今日は休みな」


「分かりました」


「宿は決まってるのか?」


「まだ決まって無いです」


「そしたら葉は受付に居といて、宿に案内させるから」


「お待たせしました」


自分と同じ歳ぐらいの女子が来た

肩ぐらいの髪の長さで、静かそうな子だった


「全然待ってないですよ」


「早速案内しますね」


「え……此処ですか?」


そこは豪華絢爛な宿で、一生自分とは無縁な見た目だった


「はい、名前をフロントに伝えて頂ければ大丈夫ですので」


「わかりました」


「では失礼します」


「あのーすいません」

 

「如何されました?」


「紅葉はいつぐらいに戻って来ますか?」


紅葉だけが部屋に残されて、俺だけが宿に案内された


「先生は何を考えているか分からない方なので、私にも分からなです」


そう言って、ため息をついていた

その様子から普段から茜さんに振り回されている事が想像できた。


「今更なんですが、お名前を聞いていなかったので、聞いても良いですか?」


しろです」


「案内して頂きありがとうございました」


「はい、ここで失礼します」


宿に入ると、フロントに数人の人がいた


「夏目葉と言うのですが、秋月茜さんに言われて来たのですが……」


「お待ちしてました、すぐに部屋にご案内いたしますね」


部屋に入ると、疲れてすぐに寝てしまった


「朝だぞー、起きろ」


目を覚ますと、紅葉が目の前で騒いでいた

茜さんと会ってから元気が無かったから

いつもみたいに元気になってくれて嬉しい


「おはよう紅葉」


「朝ごはん食べに行こう」


「うん」


朝食を食べに食堂に向かった


「茜さんとは何の話したの?」


「あー私がまだ魔法使え無いか聞かれただけだよ」


「その話か」


紅葉は魔法が使えない

この表現の仕方が正しいのかは分からないが

紅葉と出会ったばかりの頃は

周りからは天才や神童と呼ばれるほど

凄い魔法士だった……

しかし今は魔法を使いたがらない






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