第12話冒険の始まり

俺が師匠に挨拶をしてから家を出ようとした時


「師匠今までお世話になりました」


「ああ、葉今から大切な話をするから一言一句忘れるなよ

お前の母親は生きている」


衝撃の事実だった


「そうなの?ならなんで師匠が俺の面倒を見てくれたの?」


「それは……お前の母親との約束だからだ」


「約束って?」


「俺からその事を話すことは出来ない、気になるなら直接聞いてこい」


「何処にいるの?」


「お前が今から行こうとしてる所だ」


「四季の国」


思わず反射的にその言葉が出てきた


「あいつはお前が帰ってくるのを、ずっと待っている」


正直複雑な気持ちだった、会ったこともない母親に帰りを

待たれても困るだけだった

でも、師匠との約束の内容は気になった


「なんて名前なの?」


夏目十華なつめとうか


「向こうに行ったら探してみるよ」


「あいつに会ったら約束は果たしたから待ってるぞって伝えてくれ」


「分かったよ」


その一言を聞くと師匠は家の金庫の扉を開けた

中には一本の刀があった


「これを持っていけ」


「良いの?」


「葉が使うべき刀だからな」


「ありがとう」


「折ったりするなよ、俺の宝だからな」


そんな事言われたら使いずらいが、とても嬉しかった


「大切に使うよ」


「そろそろ時間だろ?行ってこい」


「うん、行ってきます」


待たせると紅葉に怒られるから

走って待ち合わせの門まで向かった

追い風が旅立ちを祝ってくれている様に感じた

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