第11話優勝

気がつくと紅葉が目の前で泣いていた

マナを全て使い果たした俺は気を失っていた様だ


「おめでとう」


「ありがとう紅葉」

 

「これで街の外に出れるね」


「そうだな……一緒に行くだろ?」


「勿論、でもどうやったら許可くれるかな?」


「婆さんに頼めばどうかにかなるだろ」


「葉からお願いしてよ」


「分かったよ」


紅葉の祖母はこの街の町長で

街の外に出る許可も紅葉の祖母が出している

お願いしたらどうにかなるかも知れない


♢♢♢


「葉お前が優勝するとは思っとらんかったよ」


「それ、祝ってくれてるのか婆さん」


「あぁ勿論そのつもりだよ」


「なら、ありがとう」


「紅葉を連れて街を出るかい?」


この婆さんは心でも読めるのか


「そのつもりだけど良いの」


「怪我でもさせたらタダじゃおかないよ」


「分かってるよ」


明日十四年間過ごした

この街を離れる

そう思うと寂しくもある。

でも俺は紅葉に雪を見せてあげたい

そして必ずまたこの街に戻ってくる

そう心に誓った



♢♢♢



「此処からオレの冒険の始まりだ」

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