第9話示現流

魔法士は肉体の鍛錬等を行う事はあまりなく

基本的には魔法の勉強をする事が多く

全員俺の速度に付いては来れなかった様だ


「逃げ切れたか」


この街で魔法が使えなくて有名な俺は

皆からすれば恰好の獲物だ

狙わられて当然だろう、だからなるべく町外れに逃げて

過ごす事にした。




♢♢♢




開始から六時間位経った、

辺りも日が落ちて来て暗くなってきた

爆発音もしなくなり結構な人数が

脱落した様に思えた


「そろそろ攻めるか」


実は日が落ちて来るのをずっと待っていた

日が落ちれば何人を相手にしても

負ける気がしなかったからだ


「こっちに葉が居たぞー」


「二人か余裕だな」


「何だと雑魚の癖に」


相手が魔法の詠唱を始めた

魔法の詠唱から発動までは少しの時間がかかる

俺も魔法の詠唱を始める。


「アクセル」


修行のおかげで俺の魔法の詠唱から発動するまでの

時間は周りと比べても圧倒的に早くなっていた


「消えた……」


夜になり視界が悪くなると物を目で捉えるのが

難しくなり、アクセルを使っている俺を目で追うのは簡単には出来なく、一瞬消えたように錯覚する。


示現流じげんりゅう一の型桜」


師匠の剣術の流派

示現流じげんりゅう

一撃に全てを込めるという考えの流派

師匠はさらにこの剣術に魔法を組み合わせて

相手に気づかれることなく

一撃で倒す剣技を身につけた

俺もその剣術を教え込まれた


「コインは貰っておくよ」

 

気絶している相手には聞こえてないだろうが

一応言っておいた




♢♢♢




そんな調子で10人くらい倒して行った

時刻は零時を回っていた

残っている人数もそんなに居ない筈だ

一時の鐘の音がした


「ゴーンゴーン」


「十二時間が経過しました、残り人数は5人皆頑張って下さい」


街全体に聞こえるアナウンスが流れた


「後四人倒せば終わりか……」


緊張のせいか疲労感が凄かった




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