暗闇

ミント系男子

第1話


なんて言ったらいいのか、


いや、どう説明すればいいのか、


それすらもわからず1人私は立っていた。

「経験した事をそのまま説明すれば良いんだよ!」と ある人の言葉が頭によぎった


経験したとしたらそのまま説明できるだろう。


だが、自分自身の理解が追いつかない状態だ、気が付いたらここにいた。と言った具合だったら?


何も説明する事が出来ない。

そうまさに今がその状態だった。


私は立っている それだけは分かったが、

その他の事は何も感じない。

口を開いてみるが、

その空間に声が響いたりすることも無い。

無音だった。

つねってみるが

つねられてるなーっていう気がするだけで、特に痛みすらも感じない。

目はだんだん暗闇になれたころだろう、でもなれたからといってなんだ?

慣れたからと言ってこの空間に何かあるわけでもなく。相変わらず闇そのものだった。


というか、慣れてるのかどうかすらも、私には分からない

左右上下も分からなく

そこに立っているだけでおかしくなりそうな感覚だった。


ここに最初に来た時は動揺を隠せなかった。

気づいたらこの空間だったので、

頭の中はどうしよう どうやって、ここから出よう?

本当に出れるの?と言う考えが

グルグル グルグル グルグルと

そればかり頭の中を駆け巡って、


恐怖で私は足を動かす事を止めることはなかっ

た。。汗は出なく、歩いても歩いてもやはりなにもない。


暑くもなく寒くもない不思議な空間だ、

なにかあるんではないかと言う

先入観に駆られて、

手で弄るがそこにはなにもなかった。


私には

なにもない空間というのが本当に信じられなかった。


私の世界は物が溢れかえっているから、

あったら便利という物は存在しない物もあるかも知れないないが無かったら本当に困るという物はない。


なにが目的だろうか?

とも考え始めるようになっていた。

そして現在に至る。


だって、よくよく考えてみたら

目的も無くてこんなことしないだろうし、

監禁されたんだったら、水も食べ物も普通出すだろ。それか、目的が他にあるのか?


フワー

背筋が急にゾッとした感覚におそわれ、

あるはずのない風が前髪を揺らしたような気がした。


こんな真っ暗闇の中にずっといたらから

ついにおかしくなったか?

と疑ったがその後も、その状態が続いたから徐々に確信に変わっていった。

風だ!風が吹いてるんだ。


急に出られるかもという希望が私の前に降りてきた。

喜びで私の表情が穏やかになり、自然と笑みがこぼれ落ちた。

時間の概念すらない状態で、

この空間にいつづけたらそうなるのも仕方がない。

また、彼は歩き続けた。








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暗闇 ミント系男子 @mintokunn

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