第4話

ここに来た時は

小さな 小さな種だった僕。

秋、冬、春、夏を過ごし

今ではフェンスよりも

高くなった。


そして

駐車場という狭い中

いろんな生き物に会い

友だちにもなった。


空高く

心地よい風が吹く頃

花穂は風をまとい

ふわふわになった。

そして

通りかかった小さな子どもが

手を伸ばし 背伸びして

穂を触っていく。

「わぁ〜‼︎」

子どもの笑顔が弾けた。

僕もくすぐったくて

嬉しくて

笑顔になった。


もうすぐ旅立ちの時が来る。

僕の子ども達も

穂を広げ、風を受けやすくなったら

旅立つだろう。


一生で一度の旅。

行きたい場所ところにたどり着けといいね。

もし願った場所ところ出なくても

僕のように“”になるから

芽を出し

生きぬいて欲しいな。

たどり着いた場所で

きっとステキな友達に

出会えるよ。


さぁ 旅立ちの時がきたよ。

旅を楽しんで

元気に

いってらっしゃい。



   

           

………………………………………

あとがき

やっと完結することができました。

ストーリーの映像は浮かんでいるのに、言葉に紡ぐことが難しくて…お待たせしてごめんなさい。


 何年か前にどこからか種でやって来たうちのススキを主人公に書いてみました。

冬になると毎年、近所に迷惑にならないように刈っているのですが、春になると元気に芽を出しています。そして年を重ねるごとに大きくなり、今では立派なススキになってます。

ススキも花を咲かしていることを知りました。来年は花穂を探してみたいと思います。


 うちのススキを見ていたら 花言葉の「生命力」「活力」というのに納得です。

他には「心が通じる」という花言葉もあるそうです。

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一生で一度の旅 宙音(そら) @ktonoha-sorane

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