夜の戦争

作者 桁くとん

83

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★★★ Excellent!!!

近未来、今より技術が進み介護用義体で被介護者と接する介護施設で起こった不思議な話です。
SF的なギミックがあちこちに見られますが、決して超飛躍した技術ではなくこれから先に採用されるかもしれない技術がなんの違和感もなく物語に組み込まれており、またそれを構成する文章が重厚で美しいです。

★★★ Excellent!!!

現代の問題を未来の技術によって解決するというのはSFの大きなテーマの一つ。そして本作では高齢化社会に伴う介護問題に対してロボットによる介助を描いている。
主人公が勤める老人保健施設では、夜勤の時にだけ人間の意識を介護用ロボットに転送して入居者の介護を行っている。だがその施設ではある噂が流れていた。夜になると本来施設にいないはずの人影が現れるというのだ……。

本作でまず注目すべきはリアリティ溢れる介護施設の仕事の描写であろう。施設で暮らす老人たちには、日常の小さな動作や単純なコミュニケーションにも多くの困難が生じる。そこをロボットが持つ様々な機能を用いてサポートしていくのが、物語の前半にあたる。
この時点ではお仕事小説のような趣があるのだが、後半に行くと、主人公は突然思いもよらぬ異常な状況に追い込まれる。一つまちがえれば荒唐無稽にもなりかねないのだが、前半で地に足の着いた描写を積み重ねているからこそ、この展開にもしっかりと説得力を持たせることに成功している。

突如追い込まれた極限状況でありながら、介護の話などどこか行ってしまいそうなものなのだが、そこで主人公の仕事と入居者たちに対する思いをしっかり描ききっているのも実に巧みだ。


(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=柿崎 憲)

★★★ Excellent!!!

リアルな介護の現場と、そんな介護問題を解決するべく開発されたロボットのお話。

慌ただしく展開される生活支援や看護の話から、物語は少しずつ不思議な話へとシフトしていきます。

次々と解き明かされる謎、回収される伏線。

後半は息もつかせぬ怒濤の展開で、読み終わったら映画1本見終わったぐらいの満足感を味わえます。

まさに圧巻のラストを是非ご堪能ください。

★★★ Excellent!!!

 最後の最後まで優しい主人公が活躍するお話です。

 初めは介護職の戦争のように過酷な現場の、お話だと思っていました。でも違います。常々、介護職の方々は、優しい方でないと務まらないと感じていました。私では絶対に務まりません。

 そんな優しい主人公は、不思議な世界へ巻き込まれてしまいます。そして大変な苦労の上で人助けをするわけですが、動けなくなる一瞬前まで、人の世話を焼いてしまいます。表題の言葉がそうです。

 戦争なんて無い方が良いに決まっています。でもその中でこんな事を言われたら、死ぬまで忘れられないだろうな、と思いました。

★★★ Excellent!!!

近未来の介護サービス。介護職。
介護ロボット端末を使い、介護をこなす。
入居者のデータも全てデータベースに管理されている。
介護職は、かなりの肉体労働だし、精神的にもきついところがあるから、
こういう介護ロボットがいることは、
良い影響を及ぼすと思った。
続きが気になります!