改造手術 リブート 著:石田宏暁
運動神経ゼロの高校生、野口鷹志。人類の大量絶滅を目論む怪人が現れ……。
ここから感想。
一話を読んでいて、まず最初に感じたのは上手だな、だった。しかし、それと同時にだいぶ挑戦的だなあ、とも思った。
状況説明がないのだ。いや、もちろん主人公視点で周囲のことが語られるのだが、根本的なことは一切描写されない。目の前の状況と主人公が理解できる範囲の情報しか、読者に渡されない。
その後も世界観の説明はなく、むしろ概要欄が一番世界観をつかめる、と言っても過言ではないくらいだった。他の作品と比較するというのは、あまり好かれたコメントではないことは把握しているが、何かに例えるのだとすれば、シュタインズ・ゲートタイプだろうか。
最初の方は完全にタメ回。伏線をどんどん張っていく段階であり、特に盛り上がりどころはない。状況説明も最低限しかされず、最後に怒涛の伏線回収をし、究極の盛り上がりを見せるタイプの作品。
なのかなあ、とずっと思っていた。
だがどうやら違ったらしい。ということに数話よんで気付いた。
タイトルにリブートなんて続編っぽい単語がついていたもんだから、一応作者ページに言って『改造手術』なるものが存在するかどうか確認したのだが、おそらくそれでは確認不足だったのだろう。
私はついている応援コメントを確認しながら読んでいくスタイルをとっているのだが、その応援コメントの中に明らかに前作を示唆するようなものがついていた。
明らかにまだそこまでキャラの立っていない人物を(私がそう感じただけかもしれない)ありえないほどほめたたえているのだ。
これはなにかそのキャラのバックボーンを知っているに違いない(と私は思った)。
というわけで内容についての言及はなし。
この作品に前作がない、という仮定のもとさんこうになりそうなものをまとめていこう。
といっても、大きなものは一つ。むしろこれが大きすぎて他にあっても書く意味がないくらいである。私自身が勘違いした何の状況説明もしないまま物語を進めていく。
これは非常に面白いやり方である。
ドンドン謎が解けていく爽快感は他の話の進め方とは比にならないし、読了感も凄まじい。
みんなやれ、と言いたいところだが一つ難点がある。
これ非常に難しいのだ。
それでは。
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