有明のプロメーテウス 著:水色鉛筆
少女が望むは死か。それとも世界の変革か。
ここから感想。
一話を読んでまず良いなと思ったのは改行の使い方。
最初は読みやすいようにルールにのっとって開業しているだけかと勘違いしたが、読み進めるにつれて、読みやすさに加えて、意図をもった改行が行われていることに気付く。
私は改行というのはマンガのコマ割りのようなものだと思っている。
マンガのコマ割りというのは正解が非常に分かり辛く、一見当たり障りのないコマ割りをしていればどうやっても変わらないように思える。
しかし、もちろんそんなことはない。
コマ割り一つで作品の面白さは天と地ほどの差が出るし、大事なシーンに厚みが出る。作品自体の疾走感やテンポ感なども、コマ割りによって左右されるといっても過言ではないだろう。
それほどまで大事なコマ割りと同じような役割を持つ改行。
これが意図をもって使われてそうだな、と一話を読んだとき強く思った。
例えば、こうやって一行だけ目立つように改行が行われた文。
ここまで露骨だとおそらく流し読みをしていたとしても目に入ってきたことだろう。小説というのはどれだけ真面目に読む人でも細かな描写は見落とすことが多い。これを解決するのが改行だ。
小説の内容だけでなく、見た目でも緩急をつける。これがこの作品は出来ているように感じた。
ぜひ参考にしたい。
完走した感想はこれくらい。
ここから内容の感想。ネタバレ含む。
応援コメントの返信によると、この作品は完全に現実なわけでもなく完全に異世界というわけでもないらしい。パラレルワールドとして楽しんでくれ、とのことだったので細かな歴史とかは書いてあるがまま受け取った。
一番印象に残ったのはやはり第一章のラストだろうか。国の政策によってむりやり強化人間にされた人間と、それを憐れむ人間。きっとここの会話をしっかりと読者に印象付けたかったのかな、と読んでいて感じた。
作品全体の雰囲気も非常によく、読みごたえがあり、話数の切り方も絶妙だった。
作品URL:https://kakuyomu.jp/works/16816700427467353990#reviews
作者URL:https://kakuyomu.jp/users/atp0210
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