第4話僕を信じてくれたのは君だけだった3
スライムはぷるぷる揺れている。縦に。
肯定する、という事だ。たぶん。
「いいよ!」
喋れるんかい!最初からそうしろ!
「その代わり、僕の友達も連れてきていい?」
「もちろんだ!」
僕を抜きに話を進めるアランとスライム。
スライムが友達を連れて来た。それを見て、僕は唖然としていた。理由は至極単純。
「スナの友達のルシファーである。魔王をしているのである。」
スライムの友達が魔王であったのだから。
アランも驚愕していた。そして、口を開く。
「お前、女だったのか…!?」
「驚くとこ、そこッ!?」
僕は思わずツッコミを入れてしまった。
「うん。僕は女だよ!」
「普通、魔王が友達な所に驚くでしょ!?」
「いや、主語が僕だったのに、女だったら驚くだろう?」
「ハッハッハッ…!面白い人間である。」
「言った通りでしょ?」
「全くである。だが、何故に、お主らは、魔物と暮らそうとするのであるか?」
当然の疑問だ。敵が一緒に暮らしたいと言うのだから、警戒しているのだろう。
「それは…。」
が、僕の声は遮られた。アランの声によって。
「人間が馬鹿だったからね。」
えっ!?ちょっ!?何言ってんのこの人!?
「そうであるか。」
「皆、シークの言う事じゃなく、国の言う事を信じるんだ。国って言ったって、所詮は人間の集まりだぜ?全く知らない奴と知ってる奴だったら、知ってる奴の事信じるくせに、全く知らない奴ってのを国って置き替えると、国を信じる…!それをおかしいと思ったんだよ!」
それを聞いて魔王は、
「ハッハッハッ…!人間にもかような賢い奴がいるのであるのか…!」
たいそう愉快そうに笑った。
僕を信じてくれたのは君だけだった るり @k197
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