第3話僕を信じてくれたのは君だけだった2

「アランは、僕を信じるのか…?」

誰も彼も僕を信じなかった。本当に、アランは信じてくれるのか?

「当たり前だろう!友達じゃないか!」

「ありがとう…!他の奴らは、僕の言う事を信じなかった…。でも、君は、君だけは…信じてくれるんだね…。」

そう。皆、シークの言う事を信じなかった。シークでは無く、王国どこの誰だか分からない人の話を信じた。

「もちろんだ!俺は思うんだが…。なんで皆、シークの言う事じゃなく、国の言う事を信じるんだろう?国って言ったって、所詮は人間の集まりだぜ?全く知らない奴と知ってる奴だったら、知ってる奴の事信じるくせに、全く知らない奴ってのを国って置き替えると、国を信じる…。おかしくはないか?」

「ああ、そうだ…。おかしい…。」

「なあ、シーク。今から、牢獄ここを出ないか?」

「いいのか…?」

「いいに決まってるぜ!無実なんだろう?」

「ああ、無実だ!」


次の日、人々は混乱し、恐怖していた。

犯人シークが脱獄したというのだ。


王国は、シークを血眼で探す。国から出られないように、自由に国境を越えることができないようにした。国境を越える時には、パスポートが必要ということにして。


だが、その政策は、空振りに終わる。シークは、既に国から出ていた。


「アラン…。これからどうしよう…?」

脱獄したは良いが、これからの生活が危ぶまれる。牢獄に居た方が危険なのだが…。

「王国に見つからないように、平和に暮らす!」

ポカーン。開いた口が塞がらないとはこの事だ。

「できるのか?」

「できるようにするしかねえ!」

話していると、茂みが動いた気がした。

「魔物か…?」

出てきたのは、スライムだった。

「おお!良いこと思いついたぞ!」

「なんだ?」

「魔物と暮らせばいいんだ!」

「「!?」」

「なあ、スライム君、俺達の仲間にならないか?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る