第2話僕を信じてくれたのは君だけだった1
犯人シークは、無事見つかり、投獄された。
めでたしめでたし。
これこそが、誰もが望んだお話だろう。
現に、人々は狂喜していた。
「これで、安心して暮らせる!」と。
王国も民にそう知らせた。
「犯人シークは投獄された!」と。
国中がシークが投獄されたことを喜んでいた。
これが、最悪の事態の引き金となるということを知らずに。
だが、本当に捕まえられなければならないのは、シークでは無く、シークと名乗る男である。そんな事にも気づかない浅ましい国だった。
シークは、何が何だか分からなかった。
街を歩いていたら、いきなり取り押さえられ、此処に連れてこられたのだ。そんなシークの目の前に出された紙には、店の物を盗んだり、多くの人々を殺害した、…etcという犯罪履歴のような事が書いてあった。
もちろん、見に覚えのない事ばかりが書いてあった。
もちろん、シークは、否定した。認めなかった。
何故なら自分は何もしていないのだから。
拷問されたが、シークは挫けなかった。
そのため、ひとまず、刑罰は保留となった。
友達に助けを求めたが、知らんぷりされたり、罪を認めることをすすめてきたりした。
たった一人を除いては。
アランだけは、シークを信じてくれた。
他の幼なじみは、シークを信じなかった。
僕を信じてくれたのは君だけだった。
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