僕を信じてくれたのは君だけだった

るり

第1話プロローグ

ある事件が起きた。


シークと名乗る男が、犯罪を犯し続けているのだ。店の物を盗んだり、罪のない人々を傷つけたり、時には殺したりもした。

被害者は、皆、首に歯型がついている。血を吸われたように。実際、そうだった。立ち向かった人々は、その男の圧倒的なまでの強さに敗れ、餌食となった。滅多に殺されはしない。血を吸うのだから。殺された人々というのは、吸われた血の量が多かったりだとか、吸われた後、そのまま放置され、傷が塞がれることなく、大量出血し、死に至った人々である。


被害者は口を揃えて言う。その男の特徴を。

その顔は蒼白。その目はあかく冷酷。長身痩躯。鋭利な牙。圧倒的強さ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る