え? こんな状態で洗うの?

「じゃあちょっと洗ってもらえる?」

とニアが言った。


「いやぁでもちょっと」

俺がそう言うとニアは

「ちょっと目をつぶっていて」

と俺に言った。


目をつぶっているとニアは俺の背後に周り俺にタオルで目隠しをした。


「これで洗えるでしょう」

と聞こえるニアの声。


確かにカリンの存在が見えなくなったから恐怖感が安らいだ。


「じゃあ、背中洗って貰えるかな」

とニアの声が聞こえる。


「えっ? そっちじゃない。ボディソープこれね」

ニアはそう言うとボディソープとスポンジを俺に渡した。俺はスポンジにボディソープをつけて目隠しのままニアの体をこする。


「痛っ! もっと優しくしてよ。傷がついちゃうじゃん」

とニアに怒られる。

「あぁ分かった。これぐらいでいいか?」

俺は段々力加減が分かってきてニアの体を洗うコツが分かってきた。


「でも、カズキ。デリケートなところに触っちゃ駄目だよ」

ニアの声が聞こえる。


「デリケートなところ……」


「それ言わなきゃ駄目?」

とおかしそうなニアの声が聞こえる。


「あぁ分かった。デリ……」

カチャリ ……ゴリ


俺のこめかみに硬いものが押し付けられる。


あっ!


「変などご……さわっ……撃つ!」

カリンの声がする。


「そうだよ。セクハラする奴は殺していいよ。カリン」

は? はぁああああああああああ!!!?


「ニア……ひょっとして俺のこめかみに突きつけられているものは拳銃か?」

俺は聞いた。


「うん。そうだよ。撃たれたら死ぬよ」

ニアがあっけらかんと言う。


「あの……拳銃をどかして欲しいんだけど。このままじゃ洗えないから」

俺は言う。


すると拳銃がさっきより強く俺に押し付けられる。しかもなんだか銃口がぷるぷるぷるぷる震えてるんですけど!


「駄目だって。ちゃんと洗って」

とニアの声が聞こえる。


「でも」


「あーーもうカリン撃っちゃって!」


カチリと引き金を引く音がする。


「うおおおおぉおおおおおお!! やります! やります! やらせてください!」

俺は叫んだ。


「てか、さっきはHさせてあげるって言ってたのにどうして触っちゃ駄目なんだよ」

俺は言う。


「それはさっきの話でしょ? その時はそういう気分だった。それだけ。今は違う。嫌だって言ってるのに変なところを触っちゃ駄目でしょ? Hさせてあげるって言ったら全部いつでもどこでも私の体を好きにしていいってことじゃないよ?」

とニアの声が聞こえる。


まぁそれもそうだな。俺は思った。


「だから変なところを触ったらカリン撃っていいから!」

とニアが言う。


「わ、分かった!」

とカリンが言うとバキュン! 銃声が耳をかすめた。


「うおおおおおおお!!!!! あああああ!!!! 死んだぁあああああ!!!!」

俺は倒れ込みながらあぶっ!


お湯が俺の顔にかかる。

「えいっ!」

ニアがお湯を俺にぶっかけてきていた。


「あばばばばばばば!!!!!」

俺は叫ぶ。


そんなこんなで浴室の壁に銃痕が2つ残ったが俺はニアの体を洗い終えた。


「疲れた……」

俺はそう言うとバタンとベッドに倒れた。



朝……俺は起きた。


パチリと目を覚まして眠気まなこで俺は周囲を見回した。

えっ? イチカは? ニアは? いない。誰もいないんだけど。えっ? どういうこと? 俺は部屋を見回す。いない。カリン! カリンもいない。


俺は必死になって周りを見回した。あれっ! あれっ? どこにもいない。


ひょっとして全部夢だったのか。俺はそう言えば眠れなくて睡眠薬をオーバードーズ気味に服用したのを思い出した。それで自分に都合のいい夢でも見てたのか……


「全部夢だった……」

俺はつぶやいた。


「あっ! そうだ! カリンの銃の銃痕は!」

俺はひらめいて浴室の壁を確認する! しかし、銃痕がどこにもない。綺麗サッパリ消えている。


俺はクスッっと笑った。


そっかそういうことか……俺は夢を見てたんだな。あーあ。そっか。夢の中ならHくらいしとけば良かったな。夢の中なら責任取らなくていいもんな。俺は思った。


俺はふと泣きそうになる。


「あーあ。そっかこれが現実か……そりゃそうだよな。そんな都合のいい……」


玄関からカチャリと音がした。


「おーカズキ起きてたか」

イチカの声だ。

「カズにい。私たち散歩行ってたよ。うつ病にはいい治療法なんだって。カズにいも今度行こうよ」

とニアが言った。


俺の部屋にはイチカ、ニア、カリンの三人が俺を見ていた。


俺はふらつきながらイチカとニアの足元を泣きながら掴む。


「よかったぁ! ウソじゃなかったんだ! ウソじゃなかった」

俺はしゃがみこんで泣きながら二人に言う。


「どうした? カズにい。ちょっと離れてただけじゃん」

「カズキ。なるほどこれがうつ病の症状か。気分が不安定になったんだな」

二人が言う。そして俺たちは抱きしめ合った。


「よしよし辛かったんだな」

とイチカが言う。


「大っきな子供みたい」

と笑いながらニアが言う。


「わっ……わたしも!」

と言ってカリンも俺に抱きついてきた。


俺は泣いた。やっぱりこの二人……いや三人がいないと駄目だ。ずっといて欲しい。俺はそう思った。



まだまだ続きます。

もっとホッコリしたいと思った方は

フォローハート★で評価お願いします!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

うつ病でボロボロだった俺のところに姉妹が二人看病にやってきた。で、二人とも俺のことが好き?うえええええ!!? 水ManJu @mizumanjuu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ