第15話 多忙の決算期、双子の友情と父親の提案

ここで一句


年明けて

いよいよ来たる

決算期


あお「たっくん上手いね!」

たく「今年の一句だよ」

あお「あと1ヶ月、フレフレたっくん!頑張ろうね!」

たく「うん」


3月の決算期に入り会社は繁忙期。俺も夜遅くまで残業して働いていた。心配な愛央はココアを作って応援してくれる。


たく「忙しいなぁ・・・これだけ出して次の会議に間に合うのかな・・・」

あお「たーっくん。ココア飲んでっ」

たく「ありがとう。眠いけど頑張るよ」

あお「無理しちゃダメだよ・・・」

たく「うん・・・」


翌日、朝から体が動かない中会議に出ようとすると、俺の携帯が鳴った。非通知で。


たく「誰だよ全く朝方から・・・はい、琴乃匠です」

昭仁「匠・・・大丈夫?」

たく「なんで非通知で俺の携帯にかけんだよ・・・」

昭仁「今出張で家いなくてさ。んで浜井くんが匠つらそうにしてるって言ってたから」

たく「うちの会社繁忙期だもん。愛央も手伝ってくれてるけど、それでも今深夜2時まで仕事してる」

昭仁「今日会議終わったら寝てていいから。無理すんなよ。家帰ったら君津帰ろっか」

たく「繁忙期なのに君津帰っていいのかよ」

昭仁「休み無しで働いてたんだから4日間休み取ったよ。人事部長に話は通してあるから家族で君津に行こうや」

たく「あっそう。ならいいや。んで出張はいつまでなんよ」

昭仁「明日帰る。それまで耐えられる?」

たく「愛央にチア踊ってもらいながら何とかやる」


俺はそう言って電話を切った。2時間しか寝てないのに飯作らなきゃおいねぇや・・・。はー、大変。


たく「飯作って会議の準備せな・・・」

あお「たっくん、おはよう」

たく「はよ。親父今家居ないんだって」

あお「なんで?」

たく「出張。今しがた電話来てさ、明日帰るって」

あお「たっくん無理しちゃってるから・・・」

たく「今日は会議だから、あー大変」

あお「ご飯食べて無理しないでね!」

たく「あんと。さぁ食ってちょだいな」


俺はそう言って愛央に飯を食べさせている間にあいちゃんを起こしに行った。そのついでに会議の資料を出したのである。


たく「あいちゃーん。朝だよー」

あい「きゅぴ?あい!」

たく「寝起きはよろしいようで。お姉ちゃんはご飯食べてるからあいちゃんも食べてね」

あい「うん!」

たく「あ、ちっ会議の資料どこやったかな・・・」

あお「たっくん!会議の資料ここにあるよ!」

たく「ありがとう。パソコンデスクの上に乗っけとかなおいねぇな」


会議の資料を片手にパソコンデスクの前に来ると愛央がバックハグを執行。甘えん坊らしい。


あお「無理しすぎないでっ」

たく「愛央・・・」

あお「大事なお兄ちゃんだもん。今日はあいちゃん送っていくから、会議の準備しててっ。たっくんが1番。頑張って!」

たく「ありがとう。金やるから帰りにスイーツ買っといで」

あお「うん!」


ってなことで愛央があいちゃんを送っていくことになった。愛央はかなり心配してくれているのは分かる。でも、愛央が不安にならないようにするのが俺の務めだと思う。それから会議に出て俺は精一杯企画したものを分かるように話した。理解が得られるかはさておき、これを逃すとまた一年後になるので精一杯話したのである。一方、愛央は新調したチアユニフォームを身にまとい、ポニーテールを作って俺の帰りを待っていた。寒くならないようにインナーを買ったってのに、愛央は今日に限ってそのインナーを着ていなかったようだ。


会議が終わり、俺の案を含め3つの案が最終候補となった。俺は親父の指示通り家に帰ってきたのである。愛央は寒そうにしながらも、待っていたのだ。


あお「おかえり!頑張ったね!」

たく「早いんだよ・・・」

あお「きらきらきら〜♡」

たく「ありがと。ちょっと寝るか・・・」

あお「(´。>ω<)ぎゅーっ♡」


帰ってきた途端、疲れて爆睡。気づいたら翌朝になっていたのだ。今日は土曜日だから、愛央たち連れてどっか行こっと。


あお「たっくん・・・?」

たく「俺死んだように寝てた?」

あお「うん・・・愛央たちお腹空いた」

たく「うわやっべー・・・」


俺はここでなんも食わせてなかったことに気づいた。とりあえず朝飯作って、すぐ出かけることに。


あお「こんなにいっぱい・・・なんで?」

たく「愛央たちになんも食わせなかったからね」

あお「昨日の夜、あいちゃんと2人でお出かけして夜ご飯は食べたの。でもたっくん、愛央想いだね」

たく「なんだよ食ったんかいな・・・」

あお「たっくんが頑張りすぎて疲れちゃってたもん。そんなたっくんに無理させちゃったら・・・ね?」

たく「愛央・・・」

あお「でも、愛央はたっくんの味方だよ。どんなときでも!」


愛央はそう言って、いつものようにぎゅーってしてきた。愛央には感謝してもしきれない。


あお「今日は土曜日だから、デートしよっ♡」

たく「んーでも仕事があるしなぁ・・・」

昭仁「帰ってきたよー」

あお「わ!」

たく「帰ってきたか。ほれ酒のつまみ」

あお「おかえりっ!」

昭仁「2人にお土産。匠は疲れたろ」

たく「死んだように寝てたからね」

あお「パパ、たっくんかなり辛そうにしてる」

昭仁「だから明日君津帰るよ。社長命令で特別有給休暇にしてるから、帰って楽になろっか」


ということで提案通りに君津に。あいちゃんもだっこして行くことにした。


あい「きゅーぴ」

たく「はぁ」

あお「たーっくん。(´。>ω<)ぎゅー♡」

昭仁「今日は車で行ってるから余計に辛そうだな・・・」

たく「明日起き上がれるのかな・・・」

あお「たっくん・・・」


君津に着くと布団の中に入って出てこれなくなった俺を愛央とあいちゃんはずっと心配していた。布団の横でずーっと。


たく「はぁ・・・」

あお「薬飲んだ?」

たく「うん・・・」

あい「たったーつらい?」

たく「うん・・・」

あお「辛くても愛央がついてるから大丈夫だよ。安心して」

たく「ありがとう・・・」

あい「たったーよちよち!きゅぴ」

あお「たっくん。いつもありがとっ」

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琴乃匠と愛央たちの活動日記!1st Season 琴乃家の日常 5th Season 小糸匠 @koito_2716

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