リスナーな彼女

登録者1桁の時から応援している彼がいる。

今じゃ登録者も43万人にまで増えて皆に人気でとても誇らしい。


最初の頃は少ないなりに私とのやり取りが多かったが、今じゃもうその対象は私ではなくリスナー全員に向けたものだった。

仕方ないもん、彼は人気だから。

少し寂しいけど仕方ないよね。

人気者になれたのは彼の努力なんだから。


配信中あるコメントが流れた。

「大好き!付き合いたいです~♡」

何気ない一言だが、なんてわがままなコメントなんだろう。彼は皆のもの。お前だけのものになるわけが無いだろう。


そのコメントは彼の目に止まらず多く来てるコメントに埋もれていく。


彼の目に止まらなくて良かった。

今のうちに通報しておこう。


私が守ってあげる。こんな彼の幸せを願わない貸すどもから。所詮、有名だから聞いてる奴らに彼の本当の姿なんて分からないんだから。




今日もお仕事だ。

あれ?



【43万人登録者有名配信者、未成年淫行か?】



は?


誰だよこんなデマを流したやつ。

SNSでは大いに荒れていた。酷い言葉と動画とは関係ない低評価。


やめてよ。やめろよ。彼を悲しませるな。


そしてその夜配信をすると告知していた。


配信で彼は連絡をとってホテルに行ったのは事実。ただ未成年とは知らなかった。ちゃんと確認しなかった自分の落ち度と謝罪をしていた。


連絡をとった??



私のLINEは既読のつかず、返事がないのに。



御相手の顔も晒されていた。とても可愛らしい愛らしい顔だった。



あーあ…



あー…




あああああああああああああ




その時にコメントを1回だけそのたった1回だけ送った。


「裏切ってんじゃねーぞ。何年前から応援して貢いだと思ってるんだよ。金と時間返せ。」



2通目は送れなかった。


コメント制限を受けたのであろう。


それでもまだ大好きだから、“また”新しいアカウントを作って彼の元に戻った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

メンヘラ @men_hera_ikiru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ