第123話若人の中に容貌よしと思へるは、(2)
小兵衛、少弐などもいときよげにはべり。それらは、殿上人の見残す、少なかなり。誰れも、とりはづしては隠れなけれど、人ぐまをも用意するに、隠れてぞはべるかし。
※小兵衛、少弐:二人とも、中宮付きの女房。
※人ぐま:人目のないところ。
小兵衛と少弐も、とても美人です。
そういう人の場合は、殿上人が見落としてしまうことは、ほとんど少ないようです。
どんな人でも、気を抜いていると、いろいろと知れ渡ってしまうような内裏ではありますが、(中宮付きの女房となれば)人目がない場所でも用心を怠らないので、表沙汰になることもなく、いるのです。
内裏の実態を書く、記述である。
美人の女房とみれば、殿上人が漏らさず、様々な誘いをかけるのだろう。
人目がない場所では、何をされるかわからない。
しかし、中宮付きの女房となれば、中宮の名誉や、自分の実家の名誉もある。
不用意に、殿上人の誘いに乗っては困るのである。
だから、人目のない場所であっても、決して気は抜けないと、紫式部は書くのである。
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