3. コーヒーゼリーミニサンデー

ひとしきり余韻に浸ったあと、私はドリンクバーに立った。

食後のドリンクとして長らくお気に入りのローズヒップ・ハイビスカスブレンド。

華やかな茶葉と水色の深い赤が光に透けて輝き、海が姿を消して寂しくなったテーブルの上に彩りを添える。

一口でさっぱりさせてくれる酸味で気持ちを仕切り直し、食後のコーヒーゼリーミニサンデーの到着を待った。


「おまたせしました。コーヒーゼリーミニサンデーでございます」

透き通る褐色の上に真っ白なソフトクリームのつのが立つ。その姿はあまりにも神聖で、一瞬にして目の前に教会が建てられたようだった。

コーヒーゼリーにソフトクリームの白が溶け出し、マーブル模様を作り出す。

毎回この様子を眺めるたび、これが世の真理だと思う。色も形も違うものが時とともに溶け合い、受け入れる。そして、小さなスプーンの上でひとつの完全なるハーモニーを作り出す。

キリッとした苦味と、優しいミルクの味。これこそが世界平和。

私はいつも我が国の平和を感じることができる、宇宙一の幸せ者だ。


趣深い抹茶ラテ、季節のおすすめコーヒーを楽しんだあと、名残惜しいが我が国と別れを告げなくてはならないときが来た。

今日も我が国で過ごした時間は最高だった。

私が建国した回数は両手と両足を使っても数え切れないほどだが、あの日、突如として現れた大陸を見逃すことなく、勇気とクーポンとともに一歩踏み出して本当に良かったと必ず思う。ありがとう、ジョナサン。

こうして私の胃も心も最高に満たされ、心残りなく、席を立った。

だたひとつ、原稿が一行も進まなかったことを除いて。

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ここは私の国 走鹿 @run_deer

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